2004 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物最終処分場の安定化指標としての温度に関する数値埋立処分工学的研究
Project/Area Number |
16560477
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 英樹 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (70210713)
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Keywords | 廃棄物処分場 / 安定化 / 温度 / ガス発生 / 浸出水 / 解析 / 現場調査 / シミュレーション |
Research Abstract |
平成16年度においては、(1)フィールド調査・アンケート調査、(2)温度解析システム開発を行った。 (1)フィールド調査は、埋立作業が終了して、閉鎖を予定している北海道内の一般廃棄物最終処分場で行った。当該処分場において、ガス抜き管内部の温度を一定期間ごとに測定し、深さ方向の分布及び時間的変化について、その特性を把握した。その結果、処分場の平地部分は温度が低く、温度の閉鎖基準を満足していたが、斜面部分では温度が高く、閉鎖基準を満足していなかった。処分場の管理者によって調査されたガス抜き管でのガス成分データを参照した結果、平地部分ではメタン濃度が高く、嫌気性状態にあること、斜面部分では窒素・酸素濃度が高く、好気性状態にあることが確認できた。このことから、斜面部分では空気が処分場内部に侵入することによる微生物反応が起こっていることが推察された。また、処分場で発生する浸出水の水質は閉鎖基準(BOD<60 COD<90 SS<60mg/L)を満足していたが、ボーリングによって調査された内部水の水質は場所によって大きく変動し、かつ閉鎖基準を満足していなかった。 (2)数値埋立処分工学を実現する温度解析では、すでに一般プログラミング言語を使って開発済みである温度解析システムを用いた。その結果、温度と処分場内部の有機物含有量との関係を数値シミュレーションによって検討した結果、おおむね温度は内部の有機物含有量が少なくなるプロセスでは低くなり、温度が微生物反応から見た安定化指標になりうることが示唆された。しかしながら、処分場表層で嫌気性微生物反応のみが起こっている場合は、内部の有機物含有量が多いにもかかわらず、温度が低い状態になることから、安定化指標として温度を用いることができないものと推察された。
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Research Products
(1 results)