2004 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖性浅海域における底生生態系破壊機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
16560487
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山崎 惟義 福岡大学, 工学部, 教授 (00038100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 亮一 福岡大学, 工学部, 助手 (50299541)
藤田 健一 (財)九州環境管理協会, 環境部システム開発課, 課長
熊谷 博史 福岡県保健環境研究所, 環境科学部水質課, 主任技師
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Keywords | 貧酸素水塊 / マクロベントス / シミュレーション / 酸素消費 / ホトトギスガイ / 底生生態系 / コホート / 硫化水素 |
Research Abstract |
研究の目的として以下の二点に着目し研究を行なった。 1)底生生態系の破壊機構の解明 ホトトギスガイ等の遺骸の分解による酸素消費ポテンシャルの増大の底生生態系破壊のトリガーとしての機構を、それらの遺骸の分解時の酸素消費速度を定量化、定式化し、上記のホトトギスガイの着底・成長・死滅・酸素消費のモデル化に組込むことによりシミュレーションを行なった。その結果、ホトトギスガイ等のマクロベントスによる水質への影響を底部のDO濃度の面的な変化として捕らえることが可能となった。この結果を基に、マクロベントスによる影響をシミュレーション上で再現し、観測結果(マクロベントスの生息密度)と比較した結果、底生生態系の破壊機構を面的に捕らえることが可能になった。二年目以降は、博多湾における底生生物の着底、成長、死滅の調査を行い、これらの結果を比較検討することにより、底生生態系破壊の機構を解明する。 2)底生生態系破壊状態の持続機構の解明 博多湾における酸素濃度分布と、底生生物に特に影響を与えると言われている底層DOと底質の硫化物の分析を行い、貧酸素水塊と硫化水素の発生との関係を明らかにするための調査を行った。その結果、底層のDO濃度と硫化物の間には相関関係がないことが分かってきた。この結果を受けて、二年目以降、さらに、底生生物のコホート調査を行い、その結果と上記の有毒物質発生の機構に基づき、酸素濃度低下と有害物質がホトトギスガイなどの着底を阻害し、底生生態系回復の遅れへとつながる機構を解明する。
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Research Products
(2 results)