2004 Fiscal Year Annual Research Report
振動数領域定式化による建築構造物-基礎-地盤連成系への地震入力エネルギー評価法
Project/Area Number |
16560496
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹脇 出 京都大学, 工学研究科, 教授 (20155055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 雅弘 京都大学, 工学研究科, 講師 (60240826)
寒野 善博 京都大学, 工学研究科, 助手 (10378812)
|
Keywords | 地震入力エネルギー / 極限外乱法 / 構造物-杭-地盤達成系 / 不確定性解析 / 耐震設計 / 表層地盤増幅 / 入力地震動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、建築構造物-地盤連成系モデルへの地震エネルギーの入力メカニズムを明らかにし、地震入力や構造物-地盤連成系が有する不確定性を考慮した一層信頼性の高い建築構造物の耐震設計法を提案することにある。本年度に得られた主な成果は以下の通りである。 1.スウェイ・ロッキングモデルや埋め込みを有するスウェイ・ロッキングモデルについて、構造物への地震入力エネルギーを振動数領域で評価する新しい方法を開発した。本方法によると、構造物で消費されるエネルギーと地盤へ逸散するエネルギー、さらには地盤で消費されるエネルギーが統一的に表現可能であり、構造物-地盤系でのエネルギーの流れのメカニズムを詳細に解明することが可能である。さらに、地震動の不確定性を考慮して、構造物に入力されるエネルギーの上限値を予測する方法へと発展させることが可能となることを明らかにした。 2.上記の方法を用いて、種々の地震動および地盤条件での解析を行い、短周期構造物が剛性の低い地盤上に存在する場合が最も動的相互作用の影響を大きく受け、地盤へ逸散する(あるいは消費される)エネルギーの占める割合が大きいことを明らかにした。 3.杭基礎を有する場合には、上記モデルよりも一層詳細な解析が要求され、自由地盤の設定や杭周辺地盤の抵抗効果の組み込みなどが必要となる。両者は一般に振動数領域での定式化を必要とし、本研究で提案する振動数領域での地震入力エネルギー定式化と完全に適合することを明らかにした。本方法に基づき種々の表層地盤について数値解析を実施し、工学的基盤で定義された入力地震動が建築構造物-杭-地盤連成系にどのような地震エネルギーの流れを引き起こすかのメカニズムを解明した。特に、表層地盤の入力レベルに依存する卓越周期と構造物の1次固有周期が近接する場合には大きなエネルギー入力が発生し、それへの対応が必要となることを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)