2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560509
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊東 敏幸 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (20223167)
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Keywords | 勾配屋根 / 屋根雪 / 滑落雪 / 外気温履歴 / 荷重低減 / 積雪地域 |
Research Abstract |
屋根上積雪時における外気温変化の分析を行った。札幌の3冬期間における積雪時の外気温変化パターン(温度履歴パターン)を分析し、同時期に大学で行った屋外暴露試験(滑落雪観察)から得られた滑落雪現象に及ぼす外気温特性を明らかにした。さらに、この温度特性を再現した滑落雪実験を低温室内で行い、屋外暴露実験から得られた滑落雪現象を検証し、降雪開始時および積雪期間における温度変化が滑落雪発生を大きく支配していることを明らかにした。 滑落雪屋根に多用されている塗装鋼板3種類(表面粗さの異なるもの)を対象とし、雪との摩擦係数を評価した。雪との摩擦係数は低温における乾燥摩擦から融雪過程における湿潤摩擦までを想定して行い、摩擦界面の湿潤状態に対応した摩擦係数を評価した。その結果から、表面粗さの異なる屋根材料における摩擦特性を明らかにし、滑落雪の判定に用いる摩擦係数を設定した。 3種類の塗装鋼板における雪との摩擦係数と滑落雪現象との関係を明きからにする目的から、同様の屋根材料を用い、材料毎に3通りの屋根勾配(最小摩擦係数、最大摩擦係数およびそれらの中間値に対応した勾配)に設定した試験体(滑落しやすい屋根葺き工法のもの)を屋外に暴露した。暴露した試験体はビデオカメラにて常時観察し、併せて外気温、積雪深および雪質変化を観測した。その結果から、最大摩擦係数および中間値に対応した屋根勾配ならば屋根雪が頻繁に滑落するが、最小摩擦係数に対応した勾配では滑落雪し難いことを確認した。また、滑落雪し難い勾配にあっては、滑落雪時の外気温が相当高くないと滑落しなくなることを確認した。なお、北海道内の多雪地域における多量降雪時の外気温変化を過去の気象データより分析し、その基本パターンを明らかにした。
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Research Products
(2 results)