2005 Fiscal Year Annual Research Report
通気層を利用した壁・屋根のパッシブ冷却促進に関する研究
Project/Area Number |
16560532
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
角舎 輝典 岐阜工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (20161143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 哲 岐阜工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (80321438)
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Keywords | 通気層 / 換気冷却 / 遮熱効果検討 / 計算 |
Research Abstract |
本研究は、日射熱流入に伴う密度差換気が起こるような通気層を有する外壁・屋根の遮熱効果の検討を行っている。本年度は壁の遮熱効果に焦点を当て、解析的研究を実施した。 第一に、設定室温が与える終日熱負荷に対する軽減効果の検討として、快晴日の気象データを入力し、それを一週間繰り返した後の一日をデータとして考察を行った。重量壁と軽量壁に対して行った計算結果では、遮熱効果は室温設定というよりもSAT温度(相当外気温度)との関係が深いことが判り、負荷予測に対して重要な示唆を得た。 第二に、気象条件は同一で、一般的な壁を数種類設定し、それらとピーク負荷に対する遮熱効果との関係を検討した。その結果、前述の結果と同様、外気象条件(温度・日射)・設定室温によって、通常の壁の通気壁化後のピーク負荷が十分精度よく推定できることがわかった。 第三に、実際的な検討として、通年の日本全国都市気象拡張アメダス気象データを入力し、冷房期間を中心に負荷計算を実施した。その結果、通気層を設置することによる負荷軽減効果の予測は、設置前の壁構造の通期での期間貫流熱負荷・全SAT温度、緯度を用いて予測することが可能であることがわかった。また日ピーク負荷軽減量は壁の種類に依存し、地域に依存しないことがわかった。 第四に、壁本体構造をパラメータとして、長期・短期熱負荷計算を行い、気象条件の影響について考察した。その結果、長期熱負荷軽減量は短期の熱負荷軽減から予測可能であることがわかった。 第五に、より簡易な計算方法の開発を目指し、計算にいくつかの簡略化を施した計算方法の検討を行った。それは、固体熱伝導を1次元とすることを中心とした計算方法である。それによれば、定常状態の計算は十分精度よく求めることが可能であることが確認でき、より簡易な計算方法の道筋が開かれた。 以上である。
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Research Products
(5 results)