2004 Fiscal Year Annual Research Report
熟年・高齢期における在宅生活への人的支援を醸成する場の計画
Project/Area Number |
16560552
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
浅沼 由紀 文化女子大学, 造形学部, 助教授 (50350202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 知子 文化女子大学, 造形学部, 教授 (40060818)
宮宇地 一彦 文化女子大学, 造形学部, 教授 (30350200)
丸茂 みゆき 文化女子大学, 造形学部, 講師 (50257086)
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Keywords | 高齢期 / 熟年期 / 人的交流 / 地域生活 / 生活支援 |
Research Abstract |
本研究は、熟年・高齢期を迎えた生活者が構築している人的環境と彼らとの交流空間の実態から、生活歴や身体状況との関係を踏まえた生活全体に占める住居や近隣地域での生活ウエイトを把握し、住空間から近隣地域空間までの連続する日常生活空間における交流空間の位置づけを明確化した上で、住居・住宅地計画及び近隣地域計画の視点から、人的支援を醸成する「場」の具体的な空間提案を行うことを目的としている。今年度行った研究の成果は以下に示す通りである。 (1)研究代表者らによる既往研究のアンケート調査回答者208名(2002年実施)に対し、訪問ヒアリング調査を依頼した。対象は、東京都中野区上高田地区及び江東区北砂地区の戸建住宅に住む50歳以上の居住者である。調査協力を得た32名に対して、日常の生活行動及び人的交流、血縁者・地縁者との関係等に関する調査を実施した。 (2)対象者属性としては、60・70歳代を中心とした年齢構成で、1/3は親の代からの居住者で長期居住層が多く、家族構成は独り暮らしから子世帯との同居まで多岐にわたるが、夫婦のみ、夫婦+未婚子が多い。 (3)日常の生活行動・人的交流から、交流相手の種類により、血縁者との関係、地縁者との関係、趣味や社会活動を通じて築かれたパーソナルな関係、がそれぞれ活発なタイプと、いずれとも関係が薄いタイプがあることがわかった。 (4)人的交流に伴う活動の場は、比較的住居や居住地域を中心として展開されている例が多くみられたが、近隣住民との関係にはある程度距離を置くつきあいを望む場合も多いことがわかった。 (5)これらの調査結果を踏まえて、次調査の調査項目の検討を行うとともに、調査対象地域の選定を進めている段階である。対象地域は、人的環境、特に血縁者・地縁者との関係における違いが予測される2地域を想定して東京圏内の複数候補地を挙げている。
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