2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560554
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
勝又 英明 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (00257106)
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Keywords | 古民家 / 公的利活用 / 地域資源 / むらづくり / まちづくり |
Research Abstract |
現在、建物の長寿命化、産業廃棄物の削減が求められている中、地域資源として古民家を再生しようという流れが出てきている。空き家の数は増え、高齢化が進む地域も多い。地域環境の改善や地域の活性化という点から見ても、古民家の再生はまちづくりの貴重な足がかりになると考えられる。本研究では、近畿地方の古民家転用の現状と傾向を明らかにし、課題と可能性を考察することで古民家転用の必要性および付加価値の創造を目的としている。 近畿2府4県の地方自治体、商工会・商工会議所にメールによる問い合せを行い、36件の事例を得た。さらに、ヒアリング先の紹介により14件の事例を得た。これらの結果、50件の古民家^<1)>転用事例を得た。事例調査として50件に対して、アンケート調査を行い、33件から回答を得た。さらに、メールの問い合わせによって得た事例36件のうち、アンケート調査の回答を得た事例からギャラリー、事務所などを伴わない商業施設を除いた20件について、ヒアリング調査を行った。 全体的には、文化施設への転用が、次に商業施設、コミュニティ施設の順で多かった。 文化施設では静的保存を重視するものが多い。しかし、今後動的な活用を図っていく施設もみられた。コミュニティ施設では、文化施設との複合で貸し出しをしている施設もあったが、スペースを提供するだけの施設が多かった。商業施設では、ギャラリー、事務所などを伴う飲食店が多かった。福祉施設では、デイサービスを基本としているが、託児所・宅老所を行っている施設もみられた。 最近開設された施設においては、保存にとらわれない、利用者主体の改修を行っている。 古民家改修のメリットとしては、用途を問わず、親しみやすい、地域住民に受け入れられやすい、関心を持ってくれるなどがあげられた。古民家改修のデメリットとしては、用途を問わず、人手および改修費不足など、運営、維持管理関連が主な共通課題としてあげられる。
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Research Products
(3 results)