2004 Fiscal Year Annual Research Report
エスニックバックグランドに代表される都市再開発に影響する社会的要因の調査分析
Project/Area Number |
16560556
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
鍛 佳代子 東京工芸大学, 工学部・建築学科, 講師 (00289117)
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Keywords | エスニックバックグラウンド / 都市再開発 / ニューカマー / 日系ブラジル人 / 在日米軍基地 / 他民族集住 / フィールドワーク / アンケート |
Research Abstract |
文化的・社会的背景が異なるエスニックタウンの再開発に影響を及ぼす要素の抽出を目的とした国内外の調査を中心に行った。 国内の調査地域を移住時期や目的相違から以下の2タイプのエスニシティを持つ地域とし、商業・観光地区と居住地区別に調査した。調査地域は、(1)ニューカマー(1990年以降のアジア人や日系ブラジル人等)の居住地域(3ヶ所)-群馬県大泉町・静岡県浜松市(日系ブラジル人),新宿区大久保(アジア人)、(2)在日米軍施設を持つ地域(居住者本人の意思ではない外国居住地域)(2ヶ所)-神奈川県横須賀、沖縄県那覇市である。 これらの地域について、i)はみ出し要素の調査、ii)広場空き地の利用状況調査、iii)商業・観光地区でのアンケート調査によって、各エスニックタウンのコミュニティの構成や商業施設の配置や利用圏が抽出された。たとえば、a)「××人街」といわれる小規模商業施設の中心街区を持つ地域(中華街や大久保のアジアタウン)、b)中心街区を持たず商業サービス施設が居住者向けにその地域全体に点在するタイプ(浜松市の日系ブラジル人居住地域)、c)b)+遠方に居住する同類のエスニシティ者をも利用する幹線道路沿いに大型商業店舗を持つタイプ(群馬県大泉町)である。また、在日米軍施設を持つ地域の特徴として、必要物資の供給を含む生活全般に関するサービスが基地内に完備されているため、周辺商店街の店舗の構成が飲酒・飲食などの接客サービス業や土産屋にほぼ限定されることと、それらの文化的影響が明らかになった。 国外の調査地は、来年度の国内外のエスニックタウンとの比較にむけて、その予備調査として、ブルックリン(アメリカ)にある、カリビアンコミュニティの調査を行った結果、一般的に言語グループが異なると個別のエスニックが作られるが、この地域の場合は言語グループが異なるエスニックグループが混在しているという特徴があった。
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