2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁場と電場を用いた配向積層構造制御による新規セラミックスの創製
Project/Area Number |
16560597
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (50267407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打越 哲郎 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (90354216)
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, センター長 (00354217)
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Keywords | 強磁場 / 電場 / セラミックス / 配向制御 / 積層 / サスペンション / 分散制御 / 強度 |
Research Abstract |
昨年度までの成果により、アルミナにおいて、磁場と電場を重畳作用したコロイドプロセスにおいて、磁場と電場(基板)のなす角度(φ_<B-E>を任意に設定することにより、基板に対してある特定の配向方向を選ぶことが可能であり、さらに、一定時間毎にφ_<B-E>を変化させることで結晶配向の方位が異なる層を積層し、様々な微構造をデザインすることが出来ることを見出しており、このようにして作製した積層体で強度や靭性に方向依存性があることを確かめた。 本年度においては、配向アルミナの高温強度特性評価および残留応力による亀裂進展の制御を検討した。また、アルミナ以外の系として炭化ケイ素の配向制御と常温における強度特性評価を行った。 配向アルミナの強度は、ランダム材では常温で400MPa程度で試験温度で1200℃から強度の低下が始まったが、配向材では常温で500MPaとランダム材よりも強度が高く、しかも試験温度が1200℃までその強度を維持した。また、方位制御したアルミナを積層させることで、結晶方位に依存した熱膨張係数の違いを利用して残留応力を発生させることが可能でり、それが亀裂進展に影響することを見出した。炭化ケイ素に関しては、磁場配向によりc軸に高配向した炭化ケイ素が得られることを既に見出しているが、緻密化が不十分であった。そこで、炭化ケイ素焼結で一般に用いられるアルミナ、イットリアを焼結助剤として緻密化を試みた。焼結助剤とホットプレスを併用することにより焼結欠陥の少ない緻密体が得られ、配向性炭化ケイ素緻密体の作製に成功した。しかしながら、緻密化をした場合には、炭化ケイ素粒子以外の添加物(焼結助剤)によりサスペンション中の粒子分散状態の変化があり、配向性の劣化が見られた。ランダム材では724MPaの曲げ強度であったのに対し、配向材では907MPaとなり、配向制御を行うことにより機械特性の向上に成功した。
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Research Products
(5 results)