2004 Fiscal Year Annual Research Report
デュアルセンシングFBG計測システムを用いた複合材料の健全性評価
Project/Area Number |
16560603
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
津田 浩 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (30262108)
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Keywords | 光ファイバセンサ / 健全性評価 / ひずみ / 超音波 / 複合材料 |
Research Abstract |
1.FBGセンサによる超音波検出の基礎的特性評価 FBGセンサによる超音波検出においては超音波波長、およびFBG自身の光学特性が超音波検出に大きな影響を与える。超音波波長がFBGのグレーティングの長さよりも短い場合、FBGセンサが検出する応答波形は超音波原波形を忠実に再現することは出来ない。FBGセンサのグレーティング部が短くなるほど、超音波応答は原波形に忠実になってくるが、感度は低下する。これはグレーティング部が短くなるほど、反射率-波長関係は緩やかになり、反射率も低下することに起因している。一方、グレーティング長を長くすると超音波の原波形忠実性は低下するが、感度は向上する。FBGセンサにおいて超音波検出感度と原波形の忠実性はトレードオフ関係にある。 2.デュアルセンシングFBG計測システムによるひずみ計測と超音波非破壊検査 サンプリング速度5kHzのFBGひずみ計測システムの構築し、その実証試験を行った。従来ひずみ計測に利用されているひずみゲージと良く一致する計測結果を得ることが出来た。また衝撃負荷により損傷を与えたCFRPに対して、FBGをセンサとした超音波非破壊検査を行った。超音波は衝撃損傷部を通過することで次の三つの特徴が現れることが分かった。一つは層間はく離により健全材とは異なる音速で超音波が伝播する。二つは大きな分散が現れ、応答周期が長くなる。三つは損傷部では超音波減衰が生じ、応答強度が低下する。損傷部を通過した超音波に対してFBGセンサは上記した三つの特徴を持つ応答が現れた。一方、従来超音波非破壊検査に多用されてきた圧電素子ではこれらの特徴をすべて有する応答が現れなかった。これよりFBGは従来多用されてきた圧電素子よりも非破壊検査において欠陥検出能の優れた超音波センサとして機能することが実証された。
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Research Products
(6 results)