2004 Fiscal Year Annual Research Report
チタン表面層ナノ・配向制御による光機能性表面の創製
Project/Area Number |
16560605
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
高山 善匡 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (60163325)
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Keywords | チタン / 結晶粒微細化 / 結晶方位制御 / 摩擦加工 / 連続繰り返し曲げ加工 / 光触媒 / 酸化 |
Research Abstract |
工業用純チタン板材を用いて、摩擦加工装置により表面層の組織微細化を試みた。装置は、フライス盤、直径10mmの円柱状チタン工具と試料固定治具よりなる。試料固定用工具には、試料に負荷される荷重測定のためのロードセルが装備されている。これにより、摩擦加工時の荷重をモニターできる。これにより、チタン板表面を摩擦し、表面層を微細化させた。その結果、板材表面層約100μmの加工層が形成され、その結晶粒サイズは数μm以下であった。 結晶方位制御については、連続繰返し曲げ加工(CCB)装置により、1.5mm厚の高純度チタン板材を加工し、所定の温度で熱処理を施して表面層に優先方位を発達させた。この優先方位形成をSEM/EBSP解析装置等により確認し、板材の圧延方向(RD)あるいは板幅方向(TD)にCCB加工し、パス回数、熱処理温度および時間を変化させて優先方位形成の最適条件を明らかにした。その結果、RD方向にCCBした板材は焼鈍後に集合組織がランダム化したのに対し、TD方向にCCBした板材は焼鈍後であるにもかかわらず圧延集合組織が発達した。 受入材および表面層を組織制御した高純度チタン板材の表面の酸化は、大気中で行った。その結果、酸化膜の厚さ変化に伴い、酸化膜の色が変化した。膜厚約40nmと考えられる青色の酸化膜が最も良好な光活性を呈した。また、表面層に優先方位を発達させた板材に形成された酸化膜で極めて良好な光活性を示した。
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