2005 Fiscal Year Annual Research Report
チタン表面層ナノ・配向制御による光機能性表面の創製
Project/Area Number |
16560605
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
高山 善匡 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (60163325)
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Keywords | チタン / 結晶粒微細化 / 結晶方位制御 / 摩擦加工 / 連続繰り返し曲げ加工 / 光触媒 / 酸化 |
Research Abstract |
工業用純チタン板材を用いて、摩擦加工装置により表面層の組織微細化に及ぼす加工条件の影響を調べた。装置は、フライス盤、直径10mmの円柱状チタン工具および工具鋼工具と試料固定治具よりなる。その結果、微細結晶粒層を形成させる最適な加圧力と回転速度は、490N、6.5rpsであることが明らかとなった。また、チタン工具に比べてSK3工具を用いた方がより板材深層部まで影響を及ぼし、微細粒層が形成されることが明らかとなった。 結晶方位制御については、連続繰返し曲げ加工(CCB)装置により、1.5mm厚の高純度チタン板材を加工し、部分焼きなまし(PA)、付加CCB、最終焼きなましプロセスにより表面層に優先方位を発達させることを試みた。その結果、高純度チタンの優先方位形成に関する最適なPA温度は633Kであり、最適な付加CCBは1パスであることが分かった。また、このプロセスによる優先方位TD-s方位率の最大値は65%と極めて高い値を示した。 表面に酸化膜を形成された高純度チタン板材を曲げ変形させ、酸化膜を破壊させて、表面をSEM観察した結果、光活性の優れた青色酸化膜の厚さは40〜50nmであることが確認された。また、酸化膜をX線光電子分光法(XPS)で解析し、Ti2pの結合エネルギーの値から酸化膜がTiO_2であることが確かめられた。
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