2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノクリスタル形成機構と環境脆化および疲れ挙動の解明
Project/Area Number |
16560617
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
御牧 拓郎 同志社大学, 工学部, 教授 (20066244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 博之 同志社大学, 工学部, 助教授 (10298698)
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Keywords | ECAP / 単結晶 / Deformation band / 転位構造 / Microband / 結晶微細化 / き裂発生および伝播 / SCC試験 |
Research Abstract |
ECAP法を用いて超微細結晶材の作製を行ってきた.良く方位制御された<001>,<011>および<111>軸方位を有する単結晶を素材とする超微細結晶形成中ではせん断面に平行なShear bandが形成されるグループ,素材挿入方向にDeformation bandが形成されるグループおよびこれら両者とも形成されないグループの三種類の微細化への変形挙動に分類されることを明らかにしてきた. また,Shear bandの転位構造は非常に密に集まった房状のmicrobandで形成され,さらにmicrobandとmatrixとの鏡面状態が確認されるとともに詳細なTEM観察によりmatrix中に双晶が形成されていることを明らかにした.この双晶形成の機構はポール・メカニズムによるものであることをも解明した. 3,4,5N-Al,3N-Cuおよび3N-Agの6パス後の超微細結晶材の組織安定性を検討した結果,SFE(積層欠陥エネルギ)が低いと結晶は微細化され易いが均質な組織にはなり難い.このような微細組織では再結晶を起こし易いとともに異常に速い成長をする.加工度が高いと導入される塑性ひずみ量が大きくなり再結晶され易くはなるが,均質な微細組織が得られ、異常結晶成長は抑えられることなどを明らかにした. 純銅超微細結晶のCT試験片を作製し,これを用いてSCC試験を行った.その結果,き裂発生および伝播は粒界型であり,結晶粒の超微細化によりSCC感受性は著しく低下することを明らかにした. これらの成果に一部は既にMater.Sci.Engg.A405(2005)およびScripta Mater.,Vol.54(2006)に掲載済みである.さらに,日本金属学会2005年度秋季大会,第56回塑性加工連合講演会で講演するとともに「銅および銅合金技術研究会誌」Vol.45に掲載予定である(印刷中).
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Research Products
(3 results)