2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規な高出力Li蓄電素子に用いるナノカーボン材料の設計と合成
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16560618
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
藤井 光廣 長崎総合科学大学, 工学部, 教授 (90086455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山邊 時雄 長崎総合科学大学, 工学研究科, 学長・教授 (80025965)
加藤 貴 長崎総合科学大学, 新技術創成研究所, 助手 (10399214)
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Keywords | 多縮合環芳香族炭化水素 / PAH / 炭素材料 / 蓄電素子 |
Research Abstract |
高出力リチウム蓄電素子の電極材としてナノカーボン材料の1つであるPAH(多縮合環芳香族炭化水素)を用いることにする。 まずPAHの理論計算用のモデルとして、多縮合環芳香族化合物の2分子系を考え、密度汎関数法を用いた量子化学的計算を行った結果、リチウムが層間に入った時の最適構造は2分子面の中央にリチウムが位置し、面間隔がほぼ4Åのものであることが明らかとなった。さらに表面や端は多量のリチウムが付着することが示され、これにより、PAHに多量のリチウムが含まれることが示唆された。また、リチウムが入ることによってPAHはリチウムからの電子を受けとり系は負になるが、この時の電子物性を調べるために、種々のPAHの電子物性、特に振電相互作用について検討し、特異な電子物性の発現の可能性を示した。 PAHは軟化点の異なる数種類の石油系ピッチを不活性ガス中、500℃〜700℃の一定温度でそれぞれ4時間熱反応させて合成した。ピッチを加熱すると350℃前後でピッチ中のガス成分が大量に発生するので、室温から一定温度まで上昇させる昇温プロセスは特に重要であり工夫が必要である。熱反応前後の質量から得られる収率はピッチの種類により異なるが、40%前後であった。 得られたPAHの基礎物性を調べるために、走査電子顕微鏡と高分解能透過電子顕微鏡(TEM)による観察と構造解析、X線回折装置による(002)面間隔や結晶子サイズなど結晶性の解析、元素分析装置による[H]/[C]モル比の測定、比表面積・細孔分布の測定、電気伝導度の測定などを行った。これらの基礎物性の結果は高出力リチウム蓄電素子の作製に生かしていく。 リチウムイオン二次電池の電極に市販の金属リチウムと合成したPAHを用いた電池セルを試作し、充放電特性を測定した。その結果、充電時の電気容量が850mAh/g、放電時の電気容量が520mAh/g、効率61%の高容量電池が得られた。今後は高エネルギー密度と高出力のリチウム蓄電素子の実現をめざした研究開発を行う。
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Research Products
(5 results)