2005 Fiscal Year Annual Research Report
軽量耐熱O相基チタン合金の金属組織制御による室温特性及び高温特性の両立
Project/Area Number |
16560619
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
萩原 益夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主席研究員 (80354182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江村 聡 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主任研究員 (00354184)
毛 勇 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 特別研究員
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Keywords | チタン金属間化合物 / O相 / 軽量耐熱 / 粒径制御 / ラメラー金属組織 / 引張り特性 / クリープ特性 / 定常クリープ速度 |
Research Abstract |
Ti2AlNb化合物(O相)を主要な構成相としたO相基合金は、加工性、破壊靱性に優れた新しいタイプの軽量耐熱材料である。平成17年度の研究では報告者が開発したTi-22Al-20Nb-2Wなる組成のO相基合金を対象に、引張り特性及びに定常クリープ速度に及ぼす結晶粒径及び粒内ラメラー金属組織の影響を検討した。 1.Ti-22Al-20Nb-2W合金の結晶粒径及び粒内金属組織制御 本合金のB2結晶粒径を約200μm、約50μm及び約20μmの三段階に変化させるために、これらの圧延材を、それぞれ、B2単相域である1150℃に1時間保持、(α_2+B2)二相域である1050℃に100時間保持及び(α_2+B2)二相域である1020℃に100時間保持した。また粒内のラメラー金属組織を変化させるために、熱処理終了後の冷却速度を、0.003K/s、0.03K/S及び0.1K/sの三段階に変化させた。冷却速度が遅くなるほど、ラメラー金属組織形態はより粗い金属組織形態へと移行した。 2.引張り特性及びクリープ特性 粒内ラメラー金属組織が一定の場合には、引張り強さ、降伏強さはB2結晶粒径が細かくなるほど上昇した。例えば冷却速度が0.03K/sの場合に、B2結晶粒径が約200μm、約50μm及び約20μmに変化すると、降伏強さは、それぞれ、811MPa、857MPa及び934MPaに上昇した。伸びも増加した。また結晶粒径が一定の場合には、降伏強さはラメラー組織形態が粗くなるほど低下した。例えば粒径が約50μmの場合に、冷却速度が0.1K/s、0.03K/s及び0.003K/sと遅くなると、降伏強さは、それぞれ、1080MPa、1039MPa及び898MPaへと変化した。定常クリープ速度は、B2結晶粒径が約200μm、50μm及び20μmの場合に、それぞれ、9.17x10^<-9>s^<-1>、1.06x10^<-8>s^<-1>及び1.61x10^<-8>s^<-1>であった。
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