2005 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン制御による非鉛系圧電セラミックスの設計とアクチュエータ応用に関する研究
Project/Area Number |
16560621
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
王 瑞平 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 研究員 (00358392)
|
Keywords | 非鉛系圧電セラミックス / 圧電特性 / ニオブ系 / ペロブスカイト / 誘電特性 / 相境界 / 相図 / 放電プラズマ焼結 |
Research Abstract |
1.(1-x)(Na,K)NbO3-xCaTiO3試料の開発 室温での結晶構造は、0【less than or equal】x【less than or equal】0.04で試料が正方晶で、x>0.05では試料が斜方晶であることがX線回折分析で判明した。圧電特性は少量のCaTiO3添加によりエンハンスされ、正方晶/斜方晶の境界x=0.05近傍で試料の圧電特性(kp~43%、d33~220pC/N)が最も高いことが明らかになった。 2.(1-x)(Na,K)NbO3-xATiO3(A=Ba, Sr and Ca)試料の相図 非鉛系圧電セラミックスの設計指針をまとめるために、(1-x)(Na,K)NbO3-xATiO3(A=Ba, Sr and Ca)試料の誘電率の温度依存性の結果から相図を作成した。立方晶-正方晶相転移温度Tc1は元素Aによって値が異なるが、正方晶-斜方晶相転移温度Tc2はほぼ元素Aによらずxのみに依存する。x=0.05では、全ての系のTc2が室温付近にあり、正方/斜方の相境界(MPB)が形成される。圧電特性はMPB近傍で最大値を示す。リートベルトの解析結果、正方晶の空間群はP4mmで、斜方晶の空間群はAmm2であることが分かった。(Na,K)NbO3-ATiO3系はPZN-PTと同じMPBを持つことが明らかとなった。以上の結果から、ドーピングによりエンハンスされたニオブ系の圧電特性は鉛系のと類似し、MPBの形成によるものと確認した。 3.バイモルフ型アクチュエータの試作及び評価 開発した0.95(Na,K)NbO3-0.05BaTiO3試料を用いて、バイモルフ型アクチュエータを作成した。その性能を評価した結果、交流駆動電圧の振幅と周波数への応答が確認された。また、直流電圧に対する変位は理論計算値と一致することも確認された。これにより、本研究で開発した試料がアクチュエータとして実用できることが実証された。
|