2004 Fiscal Year Annual Research Report
テンプレート結晶粒成長による圧電セラミックスPZT厚膜の創製
Project/Area Number |
16560624
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
王 占杰 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20323074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粉川 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10133050)
佐藤 裕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00292243)
前田 龍太郎 (独)産業技術総合研究所, 機械システム研究部, 主任研究員 (60357986)
|
Keywords | PZT薄膜 / ゾル-ゲル法 / レーザーアブレーション / ハイブリッドプロセス / テンプレート層 / 結晶配向性 / 圧電特性 / マイクロアクチュエーター |
Research Abstract |
PZT薄膜のマイクロ・マシンの機械素子への応用としてはその用途にもよるが、3〜10μmの厚さの薄膜を必要とする。例えば、マイクロ・スキャナーと原子間力顕微鏡(AFM)のカンチレバー等のマイクロ・アクチュエーターへの応用としては、3μmの厚みが要求される。この範囲の厚さのPZT薄膜を造るのは従来のデポジション技術で極めて困難である。本研究では、プロセスの短時間、低温化を目指して、ゾル-ゲル法とレーザーアブレーション法のハイブリッドプロセスでテンプレート結晶粒成長により、良好な圧電特性を有する3μm程度の厚さのPZT薄膜の作製プロセスを開発することを目的とする。本年度は、ゾル-ゲル法とレーザーアブレーションのハイブリッドプロセスでテンプレート結晶粒成長により作製したPZT薄膜の結晶化過程を検討した。まず、Sol-gel法を用いてPt/SiO_2/Sの基板上に厚さ0.15μm程度の(100)と(111)面に配向するPZT膜をコーティングした。その後、1層のPZT膜をコーティングした基板を460℃に加熱しながら、その上にレーザーアブレーション法で0.6μm程度の厚さのPZT薄膜を作製した。薄膜の結晶構造と微細組織を調べた結果、テンプレート結晶粒成長によりPZT薄膜の結晶配向を制御できることが明らかになった。また、ペロブスカイト相の結晶粒がレーザーアブレーション層の中で細かく分化したように観察された。これは、レーザーアブレーションプロセス中に成長応力により隙間が生成し、結晶粒が幾つかに分割されたと考えられる。ゾル-ゲル層のペロブスカイト相の結晶粒のin situ成長によりレーザーアブレーションプロセス中に薄膜が完全に結晶化して、蒸着後のアニールが省略され、プロセスの低温化と短時間化が実現できた。
|