2004 Fiscal Year Annual Research Report
固相置換反応を利用した反応性通電加圧焼結による高硬度・高靭性セラミックスの合成
Project/Area Number |
16560625
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
泰松 斉 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60125721)
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Keywords | 炭化タングステン / ホウ化タングステン / 炭化バナジウム / 加圧焼結 / 機械的性質 |
Research Abstract |
まず、反応性通電加圧焼結装置を用いて、固相置換反応B_4C+5W+80WC→4WB+81WCを起こさせながら焼結させ、W-B-C系の複合セラミックス合成のための最適焼結温度を調べた。その結果、1650℃以上で緻密な焼結体が得られることが分かった。1650℃の焼結体は結晶粒が細かく、硬度が高いが、1700℃以上では非常に粗粒化し、硬度が著しく低下した。このように適切温度範囲が狭いと、品質管理が難しいので、粒成長防止剤を添加して、微細な粒の状態が維持できる焼結温度範囲を広げる必要がある。そこで、WCへの粒成長防止作用のあるVCの添加効果を調べた。VC微量添加のWC粉末を使用して、B_4C-5W-80WCに成るように粉末を混合し、反応性通電加圧焼結を行った。得られた焼結体については、生成相の分析を行うとともに、組織観察、機械的性質の評価を行い、焼結温度の影響について検討した。焼結温度1700℃まではWB、W_2B、WC及びW_2Cが生成していたが、焼結温度1750℃以上ではW_2Bが生成せず、WB、WC、及びW_2Cが生成した。かさ密度は1750℃まで緩やかに増大し、1750℃を越えるとほぼ15.5g・cm^<-3>の一定値を示した。ヤング率は1750℃まで緩やかに増大し、1750℃で最大値689GPaになり、その後もほぼ一定であった。ポアソン比は焼結温度に関係なく、ほぼ一定値を示した。ビッカース硬さは焼結温度に関わらず、25GPa以上の非常に高い値を示した。破壊靭性値は焼結温度1700と1750℃の時に最大値5.3MPa・m^<1/2>を示した。VCは顕著な結晶粒成長防止効果を示すため、添加すると非常に高い硬度の焼結体が得られるが、破壊靭性値とヤング率を低下させる。
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Research Products
(2 results)