2005 Fiscal Year Annual Research Report
固相置換反応を利用した反応性通電加圧焼結による高硬度・高靭性セラミックスの合成
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16560625
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
泰松 斉 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60125721)
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Keywords | 炭化タングステン / ホウ化タングステン / 炭化バナジウム / 加圧焼結 / 機械的性質 |
Research Abstract |
本年度では、高い硬度と破壊靭性値を有するWC系複合セラミックス作るために、前年度の反応機構に関する知見をもとに、WCの粒成長防止剤を探索した。 WC-Coサーメットの研究で、VCが最も効果的にWCの結晶粒成長を防止するということが多くの研究で分かっているが、Coを含まない場合に効果があるかは確かめられていない。16年度の研究で、+80WC=4WB+81WCの反応で焼結した材料が、最も優れた機械的性質を持つことが分かっているので、これをベースにして、VCを適量添加した試料で焼結温度を変えて焼結し、得られた試料の組織を調べ、硬度、ヤング率、破壊靭性を測定した。 B_4CとWとV量で0.43mass%含むWCを用いて、前記の反応式になるように秤量した後、これを放電プラズマ焼結装置を用いて焼結した。焼結は1600〜1800℃の範囲で行った。焼結後の試料については、切断、研削、研磨を行った後、密度と気孔率の測定、微細組織の観察と分析、結晶粒径の測定、ビッカーズ硬度の測定、ヤング率の測定を行った。 VCを含んでいない場合は、1650℃で完全に緻密になったが、VCを含んでいると、1750℃以上で緻密になった。緻密化した1800℃の焼結体の結晶粒径は原料のWC粉末の粒径からほとんど変化しておらず、優れた粒成長防止効果が認められた。添加したVCは、WCには固溶せず、WCの粒界あるいはWBやW_2Bの回りに析出した。緻密な焼結体のヤング率は、VCを含まない場合より少し低かった。硬度は、焼結温度が高くなっても、粒成長しないため、ほとんど低下しなかった。破壊靭性値は、VCを含まない場合より少し低くなった。
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