2005 Fiscal Year Annual Research Report
微量の希土類元素または貴金属を添加したアルミナ形成耐熱合金の水蒸気酸化
Project/Area Number |
16560639
|
Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
天野 忠昭 湘南工科大学, 工学部, 教授 (10005978)
|
Keywords | 希土類元素 / 貴金属 / 高温酸化 / 耐熱合金 / アルミナ / 水蒸気酸化 / 硫黄 / スケールの密着性 |
Research Abstract |
アルミナ形成耐熱合金であるFe-20Cr-4Alを基本合金とし、これを帯域溶融法により精製したFZ合金、また基本合金に微量のPd、Pt、AuまたはLuを添加した合金をアーク溶解法により溶製した(0.5%Pd,05%Pt,05%Au,0.04%Lu)。これらの合金の板状試片(約10x20x0.5mm^3)を研磨し(#1500)、アルコール中で超音波洗浄後供試材とした。水蒸気酸化実験は露点313K(40℃)の水蒸気を含む酸素(100cc/min)中1473、1573および1673Kで18ks間実施し、以下の結果を得た。 1.基本合金には4ppmの硫黄が含まれているが、他の合金の硫黄含有量は1ppmまたはそれ以下である。2.基本合金の質量変化量は1473および1573Kにおける水蒸気酸化でスケールが表面全体から剥離することから負の値を示した。3.基本合金以外の合金の質量変化量はすべて正の値を示し、酸化温度の上昇とともに増大し、1473および1573Kにおける水蒸気酸化ではほぼ同様の数値を示した。4.表面スケールの色は0.5Pd合金でのみbrownであるが、他の合金ではgrayであった。5.スケールはいずれの合金でもα-Al_2O_3のみが検出された。6.1673Kにおける水蒸気酸化では0.5Pt合金の質量変化量が最も小さく、スケールの剥離も認められないことから(この場合の質量変化量は質量増加量と考えて良い)優れた耐水蒸気酸化性合金であることが示唆される。7.SEM観察により1473Kにおける水蒸気酸化では基本合金表面はスケールが剥離し、合金粒界に沿って空洞が認められる。一方、0.5Pt合金表面はアルミナスケールで覆われ、針状酸化物粒子も点在していることがわかった。
|
Research Products
(4 results)