2006 Fiscal Year Annual Research Report
微量の希土類元素または貴金属を添加したアルミナ形成耐熱合金の水蒸気酸化
Project/Area Number |
16560639
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
天野 忠昭 湘南工科大学, 工学部, 教授 (10005978)
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Keywords | アルミナ / 耐熱合金 / 高温酸化 / 水蒸気 / 貴金属 / 希土類元素 / スケールの密着性 |
Research Abstract |
アルミナ形成耐熱合金の耐水蒸気酸化性合金開発に関する基礎的知見を得ることを目的とする。本研究ではFe-20Cr-4Al合金を基本合金(4ppmS)とし,これに希土類元素(Y, Lu)または貴金属(Pd, Pt, Au, Ir)を添加した合金について酸素をキャリアーとしてこれに水蒸気(露点:80℃)を含有させた雰囲気中,1473,1573および1673Kで18ks間の高温酸化実験を実施し,以下の結果を得た。 1 質量増加量はいずれの合金でも酸化温度の上昇とともに増大した。基本合金への貴金属の添加は質量増加量の増減にはほとんど影響がなかったが,Yの適量添加(0.1%)は質量増加量の低減に寄与した。 2 アルミナスケールの剥離は基本合金のすべての酸化温度で生じ,0.5Pd合金では1573Kで,0.5Au,0.1Ir,0.01Yおよび0.1Y合金では1573および1673K酸化で表面の大部分から生じた。 3 0.5Y合金表面はいずれの酸化温度でもスケールの剥離は認められず密着性が改善され,本研究における合金中で最もアルミナスケールの密着性が優れた合金であることがわかった。 4 05Pt,0.1Luおよび0.05Y合金ではスケールの剥離が一部で認められるものの,その剥離酸化物量は少量であるので基本合金と比較してスケールの密着性は改善された。 5 スケールはいずれの合金でもアルミナが支配的であった。Y添加合金ではY_3Al_5O_<12>も検出され,そのピーク強度はY添加量の増加,並びに酸化温度の上昇とともに大きくなった。 6 以上の結果より,アルミナ形成耐熱合金への希土類元素の添加,並びに貴金属の添加は耐水蒸気酸化性改善に寄与することがわかった。特に0.5%Y添加合金ではスケールの剥離が全く認められず,極めて優れた耐水蒸気酸化性合金の可能性がある。
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Research Products
(2 results)