2004 Fiscal Year Annual Research Report
塑性を利用した微細表面形状加工による情報伝達機能生成
Project/Area Number |
16560643
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
池 浩 独立行政法人理化学研究所, 大森素形材工学研究室, 先任研究員 (30087431)
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Keywords | 微細表面形状 / 転写加工 / 圧印加工 / 有限要素解析 / 光学的読み取り / 塑性変形 |
Research Abstract |
金属材料表面に塑性変形を利用した微細変形を与え情報として読み取る体系では,将来への微細化をにらみ,柔軟な形状構成能力と高精度で高能率的な転写加工,さらに微細化に対応した高度な読み取りシステムが必要となる. 本年度においてはまず予備的に有限要素数値計算により微細圧印加工の2次元的な変形挙動を各種の境界条件のもとで解析し押し込み部分周辺の材料流動を検討した.その結果,要素工具の寸法とそのピッチおよび板厚の間の関係によって変形挙動が大きく変わることが確認でき,各種の設定状態における流動の予測ができるようになった. 任意可変な微細表面形状の付与方法については,工具面における要素凹凸の組合せによる所定形状の形成と,その転写能についての基礎的な実験を行った.その結果,凹凸の形状ならびに工具面・試験片の表面性状ならびに凹凸の段差の設定を最適化することにより,より誤差の少ない読み取りを可能とする転写形状が得られることがわかった.さらに工具面と被加工材界面の相対すべりが引き起こす転写形状の崩れについてAFM等も用いて精密な検討を行い,相対すべり量は平面上の信号幅と同程度に収めることが好ましいという結果を得た. 幾何学的評価については定量的にはまだ多くを試していないが,上記加工状態の観察により適当な条件の設定により工具面の正確な(空間的に反転した)転写が可能であることが確認できた. 光学的読み取りシステムの検討については微細化した形状の読み取りにも対応できるように考慮しつつ,装置の組み立てと試験的適用を行ったが,十分対応できるものとの見込みが得られた.
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