Research Abstract |
めっきに使用される各種金属粉末の抗菌,抗真菌(かび)作用について検討した。供試菌体としては,E-coli, Staphylococcus aureus, Klebsiella pneumoniaeを用いた。これらそれぞれの供試菌をめっき金属として知られる,亜鉛,マンガン,ニッケル,銅,コバルト,クロム,アルミニウム,マグネシウム,チタン,銀,鉄の粉末とともに,寒天培地に共存させ,各供試菌の生育状況を観察した。その結果,三つの類型にその結果が分類出来た。一つは,なんの影響も与えない金属であり,それらに属するものは,マグネシウムと鉄である。これらの抗菌性は見いだすことができなかった。一方,第二のグループは,やや抗菌性が認められるもので,その効果はあるものの,それほど強くないと考えられる。このグループに属するものは,アルミニウム,クロム,チタン,銀である。第三のグループは,強い抗菌効果が認められたものであり,亜鉛,コバルト,マンガン,ニッケル,銅がこれに属する。その中で,人体に大きな負荷がかからないと考えられれている亜鉛,および抗菌性が認められて鋼の合金元素としてこの目的で添加されている銅に着目して,そのめっきをスライドカルチャー法を用いて,抗菌性試験した。その結果,銅めっき,亜鉛めっきについて,抗菌性が認められた。 一方,抗真菌の試験であるが,これについても,上記と同種の各種金属粉末の抗真菌性試験を同様の方法で行った。銅,コバルト,マンガンについて抗真菌性が認められたが,細菌に対する試験に比べると,多く小野金属に置いて,完全に真菌の発育をとめることは困難であった。亜鉛,銅のメッキについて同様の抗真菌1生をスライドカルチャー法にて検討したが,明確な抗真菌性は確認出来なかった。
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