2005 Fiscal Year Annual Research Report
天然物の超臨界流体抽出における複合エントレーナ効果の解明
Project/Area Number |
16560660
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩井 芳夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80176528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 節子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50294898)
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Keywords | 超臨界流体抽出 / エントレーナ効果 / 超臨界二酸化炭素 / カフェイン / 水 / エタノール / 相互作用 |
Research Abstract |
天然物からの生理活性物質の超臨界二酸化炭素抽出におけるエントレーナ効果の基礎的知見を得るため、生理活性物質のモデル物質としてカフェインを選び、超臨界二酸化炭素中に溶解したカフェインとエントレーナであるエタノールの相互作用をフーリエ変換赤外分光器で測定した。測定は温度40℃、圧力は15.0MPaで行った。まず、高圧セルにカフェインを既知量入れ、系内を測定温度・圧力にして超臨界二酸化炭素に完全に溶解させた。その後、超臨界二酸化炭素中のカフェインの赤外吸光度を測定した。次に、エタノールを系内に徐々に添加すると、カフェイン中の2つのカルボニル基による赤外吸収ピーク(1715および1675cm^<-1>)が変形したので、カフェインのカルボニル基とエタノールが相互作用していることが示唆された。そこで、カフェインのカルボニル基のピークを波形分離したところ、エタノールを添加すると5〜7cm^<-1>くらい低波数側に新たなピークが現れ、これをカフェインとエタノールの相互作用種のピークと同定した。カフェインとエタノールの濃度を色々変えて測定を行い、エタノールと相互作用していないカフェインと、エタノールと相互作用しているカフェインの濃度をそれぞれ求めたところ、カフェインのカルボニル基とエタノールは1対1で相互作用種を作ることがわかった。また、カフェインのカルボニル基とエタノールの相互作用種の濃度はラングミヤ型の式で整理できることがわかった。その式を用い、カフェインの溶解度におよぼすエタノールのエントレーナ効果をカフェインのカルボニル基とエタノールの相互作用種の観点から解析したところ、エタノールの添加に伴うカフェインの溶解度の上昇は、主として相互作用種の濃度の増加によるものであることが示された。
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Research Products
(1 results)