2005 Fiscal Year Annual Research Report
超分子構造をもつ多糖の特異的金属認識機構の解明とそれを応用した分離材料設計
Project/Area Number |
16560661
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
上江洲 一也 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (40253497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 洋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (30321524)
川喜田 英孝 佐賀大学, 理工学部, 助手 (30367114)
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Keywords | バイオソープション / バイオマス / 細胞壁 / 多糖の分子構造 / 糸状菌 / 金属イオン吸着 / アンチモン / ポリオール |
Research Abstract |
バイオマスは、希土類金属などのレアメタルや白金族などの貴金属を回収する分離材料(バイオソルベント)としての利用が期待されている。バイオソルベントは、金属イオンの吸着量が大で、安価という利点をもっているので、その金属選択性を劇的に向上させることができれば、さらに魅力的な高機能分子認識材料となる。糸状菌の一種であるRhizopus oligosporus(R.oligo)は、ランタンや銅などの金属種で菌体1g当たり3.3mmolという、市販の金属回収材料と同等以上の吸着能をもつことが明らかとなっており、その金属吸着部位は菌体の細胞壁を構成しているキチンやβ-1,3-グルカンといった多糖であると考えられる。そこで、本研究では細胞壁中の多糖の超分子構造に由来する金属認識機構の解明に取り組み、その分子認識機構を人工高分子材料設計に応用し、新しい高選択性金属分離材料の創製を目指す。 昨年度は、水酸基を多数もつ高分子材料の構造的特性を反映した吸着特性を示す3価のアンチモンをR.oligoに吸着させることで、細胞壁中の多糖の構造について検討した。 本年度は、吸着金属種を2価の銅と3価のランタンとして、細胞壁中の金属吸着部位について検討した。金属吸着に関与しうるアミノ基およびカルボキシル基を化学修飾したR.oligo、元々細胞壁中に存在する金属イオンを除去したR.oligo、および未処理のR.oligoへの金属吸着挙動を比較することにより、R.oligo細胞壁の金属吸着部位と金属吸着機構について考察した。
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Research Products
(6 results)