2005 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体中での高分子の自己組織化を利用した核酸ドラッグ用ナノデバイスの創製
Project/Area Number |
16560664
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三島 健司 福岡大学, 工学部, 助教授 (40190623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 清 福岡大学, 工学部, 助手 (40299540)
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Keywords | 超臨界流体 / ナノバイオ / 酵素反応 / 生体分子 / 自己組織化 / 高分子 / 核酸 |
Research Abstract |
超臨界二酸化炭素の急速膨張法を用いて高分子の微粒子を製造する場合、超臨界二酸化炭素に対する高分子の溶解度が一般に極めて小さいことから、超臨界二酸化炭素に共溶媒を添加することが多い。しかしながら、急速膨張後に生成する高分子微粒子表面に残存する共溶媒のため、高分子微粒子が癒着したり、共溶媒に再溶解して膜が形成される。そこで本研究では、高分子に対して貧溶媒である水中に急速膨張を行うことで、急速膨張により生成される高分子微粒子の形状コントロール法について検討した。水中に超臨界流体の添加により溶融した高分子溶液を急速膨張させることで、癒着のない、球形状の高分子粒子を生成可能であることが分かった。 さらに、超臨界二酸化炭素を用いて製造した複合粒子のトナーや化粧品への応用を検討した場合、ナノ粒子が高分子微粒子内部に高い濃度で内包され、分散されている必要がある。通常、圧力の保持などが容易なことから高圧容器内の撹拌には永久磁石を利用した誘導撹拌装置が利用されている。しかし、誘導撹拌装置では、磁石の回転によって発生する発熱のため、2,000rpm以上の速度で撹拌翼を回転させることは困難である。このため、永久磁石を利用した誘導撹拌装置による撹拌では、ナノ粒子を分散、さらには高分子と複合化させるための十分なせん断力を得ることは困難なようである。特にナノ粒子と高分子の複合化を検討した場合、撹拌速度が低速で十分なせん断力が得られない場合、十分な複合化を達成することは困難なようである。一方、高速の撹拌が可能となり十分なせん断力が得られれば、高分子とナノ粒子の複合化が可能になると考えられる。そこで、本研究では5,000rpm以上の高速撹拌可能なメカニカルシール機構を有する高圧セルを試作した。試作した高圧高速撹拌装置を用いて超臨界流体中における高分子とナノ粒子(酸化チタン)の複合化を行い、その後、急速膨張処理を施すことにより複合粒子の形成を試みた。TEM観察の結果、本研究で試作した高圧高速撹拌装置により試作した複合粒子は、高分子粒子の内部に酸化チタンを高濃度に内包していることが分かった。
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Research Products
(5 results)