2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機高分子ゲルを反応場とした無機ネットワーク構造体の作製
Project/Area Number |
16560667
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Research Institution | Institute of Research and Innovation |
Principal Investigator |
清田 佳美 (財)産業創造研究所, 化学研究部, 主任研究員 (60216504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 幸一 (財)産業創造研究所, 化学研究部, 研究員 (90360742)
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Keywords | 有機高分子ゲル / 多幸質材料 / 合成 / ネットワーク / メソ構造 / 金属・金属酸化物 / モノリシック / 無機材 |
Research Abstract |
有機高分子ゲルと無機コロイド複合体の作製を試みた。アクリル酸ゲルにセリウムイオンを導入し、乾燥処理後、強アルカリ処理し、酸化セリウム水和物+ゲル複合体を作製した。本複合体の比表面積は2m^2/g程度であるにもかかわらず、酸化セリウム重量あたり30mg/gの砒素(As(III))吸着量を示した。酸化セリウム水和物単体(比表面積50m^2/g)の砒素吸着量は11mg/g程度であった。ゲル複合体は比表面積が小さいにもかかわらず砒素吸着性能が高いことから、水中でゲルがわずかに膨潤し、水和酸化セリウムコロイドがゲルネットワーク中に高分散する状態が生み出される結果砒素吸着性能が向上したと考えられる。また本複合化ではコロイド溶出はなかった。以上のことから、有機高分子ゲルネットワーク構造を反応場として利用することによって、無機コロイドが高分散する高性能吸着剤を簡便に作製可能であることが明らかとなった。アクリル酸誘導体、アクリル酸/ポリビニルアルコール共重合体ゲルおよびゼラチンゲルを用い、ゲルネットワークを足場としたリン酸カルシウム複合体の作製を試みた。ゼラチンゲルおよびアクリル酸/PVA共重合体は、燐酸化合物をゲル外に析出すること無くアパタイト/ゲル複合体を生成した。複合体は多孔質構造を有し高強度であった。複合体の焼成物は多孔性ネットワーク構造を有することが明らかとなった。 ゲルのネットワーク構造と生成する無機ネットワークの構造相関性を把握した。有機高分子ゲルを反応場とした無機ネットワーク構造体生成条件を把握すると共に本手法の有効性を確認し、簡便にモノリシックな無機多孔体を作製する手法として有望であることが分かった。
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Research Products
(4 results)