2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規規則的メソ多孔体担持貴金属系脱硫触媒の創製と高活性発現機構の解明
Project/Area Number |
16560673
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉岡 正敏 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80001329)
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Keywords | メソポーラスシリカ / MCM-41 / アルミナ修飾 / 貴金属 / 白金 / 高分散担持 / 高活性 発現機構 / 触媒設計 |
Research Abstract |
新規の高活性脱硫触媒を設計・開発するために、メソ多孔体であるメソポーラスシリカMCM-41及びその細孔壁をアルミナ修飾したMCM-41(Al_2O_3-MCM-41)に種々の貴金属(NM=Pt,Pd,Rh,Ru)を5wt%担持した触媒(NM/MCM-41およびNM/Al_2O_3-MCM-41)を調製して、チオフェンの水素化脱硫(HDS)反応に対する活性(350℃)を検討した。なお、水素化脱硫反応生成物は申請のガスクロマトグラフで分析した。その結果、NM/MCM-41触媒よりもNM/Al_2O_3-MCM-41触媒が高活性であり、MCM-41に対するアルミナ修飾による高活性発現効果を確認した。また、両者のMCM-41に担持した貴金属の活性の序列はPt>Pd>Rh>>Ruであり、白金(Pt)が最も高い水素化脱硫活性を示した。したがって、次にPt/Al_2O_3-MCM-41触媒がPt/MCM-41触媒よりも高活性である原因、すなわちPt/Al_2O_3-MCM-41触媒の高活性発現機構を詳細に検討した。 まず、Pt/Al_2O_3-MCM-41触媒およびPt/Al_2O_3-MCM-41触媒上のPtの分散度をXRD回折法および水素吸着法で検討した,この結果、Ptの分散度はPt/Al_2O_3-MCM-41触媒の方がPt/MCM-41触媒よりも高く、明らかにPt/Al_2O_3-MCM-41触媒の方が高い水素化能を有していることが分かった。一方、MCM-41とPt/Al_2O_3-MCM-41との酸性質の違いを2-プロパノールの脱水反応とクメンの分解反応および両者のMCM-41担体に吸着したピリジンの赤外吸収スペクトルから評価した。この結果、Al_2O_3-MCM-41の方がMCM-41よりも酸性質が高く、かつAl_2O_3-MCM-41にはブレンステット(B)酸点が存在することが明らかにした。 以上のことから、Pt/Al_2O_3-MCM-41触媒の高活性発現機構はPtの水素化能と担体の酸性質が高度に調和しているためであり、またPt/Al_2O_3-MCM-41触媒によるチオフェンのHDS反応では、Al_2O_3-MCM-41表面のB酸点に吸着したチオフェン分子をPt上で生成したスピローバー水素が攻撃することにより進行することを明らかにした。
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