2004 Fiscal Year Annual Research Report
メソ多孔質体に導入した金属酸化物ナノ超微粒子を触媒とする不飽和アルコール合成反応
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16560677
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西山 覚 神戸大学, 環境管理センター, 助教授 (00156126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴谷 滋 神戸大学, 工学部, 教授 (00031120)
市橋 祐一 神戸大学, 工学部, 助手 (20362759)
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Keywords | Sn / MCM-41 / メソ多孔質体 / テンプレートイオン交換 / アセトフェノンの還元 / MPV反応 / 高分散 / 高ターンオーバー数 |
Research Abstract |
1)テンプレートイオン交換法によるSn/MCM-41の調製 メソ多孔質体の1つである,MCM-41を所定の方法に従い合成した。MCM-41の細孔を形成させるために用いた鋳型材である界面活性剤(トリメチルヘキサデシルアンモニウムプロミド)をメソ細孔内に保持したままの試料を用いて,活性サイトを形成するSnイオン種をアンモニウムイオンとのイオン交換で導入した。その後,残存している界面活性剤を空気流中で焼成処理することにより,Sn/MCM-41を得た。Sn導入量は,仕込みのSn溶液のSn濃度を変化させ調節する方法と逐次的にテンプレートイオン交換を繰り返す方法を用いて制御した。 2)Sn/MCM-41のキャラクタリゼーション テンプレートイオン交換法の目的が高分散Sn酸化物担持MCM-41触媒の調製であるので,調製後,得られた触媒の表面積およびSn酸化物分散性を評価した。テンプレートイオン交換して調製したSn/MCM-41に残存するテンプレートを焼成処理により除去した際,燃焼熱による温度上昇が観測された。局所的には観測された温度よりも著しく高温になったと考えられる。Sn担持量の多いSn/MCM-41においてBET表面積の減少やSn酸化物の凝集が一部観測され,また,MCM-41のメソ細孔構造の破壊も見られた。これは,テンプレートの燃焼除去の際の大きな発熱による。なるべくテンプレートの残存量を減少させる目的で,複数回のテンプレートイオン交換を逐次的に行い高濃度のSnの導入を試みた。複数回交換してもある程度のテンプレートは残存し,焼成処理によるテンプレート除去の際に発熱し表面積の減少およびSn酸化物の凝集を抑制することは困難であった。 3)Sn/MCM-41触媒上でのアセトフェノンの還元反応 アセトフェノンの2級アルコールを還元剤としたMPV還元反応を行った。生成物は唯一1-フェニルエタノールであり,選択的にカルボニル基の還元が進行した。テンプレートイオン交換反応で調製したSn/MCM-41は同じ担持率で比較すると通常の含浸法で調製した触媒よりも高い活性を示した。テンプレートイオン交換により高分散でSnをMCM-41メソ細孔内に導入できたためと考えられる。
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Research Products
(1 results)