2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560685
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
酒井 清孝 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00063727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 深 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (70329093)
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Keywords | 人工鰓 / 酸素キャリア / 促進輸送 / 海中開発 / バイオミメティクス |
Research Abstract |
ガスキャリア液の開発 水中の溶存酸素を気相中に取り込む装置を人工鰓という。本年度は、酸素移動の促進剤であるガスキャリア液として、N,N'-Disalicyl idenethylenediaminocobalt[サルコミンCo(salen)]を検討した。このコバルト錯体は温度応答による酸素結合・解離機能を備えている。はじめに、Co(salen)を合成し、得られた錯体をエタノールに溶解させてガスキャリア液を作製した。最適温度制御範囲の特定のため、ガスキャリア液の温度変化によるUVスペクトル測定をおこなった。温度上昇に伴い、スペクトルは等吸収点(325nm)を境にシフトし、低波長領域である300〜400nmではっきりと変化が確認できた。二成分系の定量法を用いて酸素解離率を算出したところ、40℃において最大となった。また、二室回分式装置を用いた測定結果から、20℃から40℃の範囲で温度制御することにより大きな酸素移動速度を得られ、有用なガスキャリア液として機能する可能性を示した。 ガス交換モジュールの最適設計 本システムで使用するモジュールを、コンピュータシミュレーションで設計した。はじめに、人工肺Sarns5796(3M、東京)をモジュールの基本モデルとして選定した。中空糸配糸およびモジュール形状を変化させ、人工鰓装置に対応した至適設計を行ったところ、中空糸外径は0.25mm、中空糸膜間隔は0.47mm、中空糸層間隔は0.36mm、空間率は0.711が最適であった。また、流体流路部の底面半径が9mmのとき、ハウジング高さは179.2mm、芯径は27.11mmのときが最適値となった。これらの結果から至適設計したモジュールを性能評価したところ、基本形と比較して圧力損失が58%減少したにもかかわらず、総括物質移動係数は32%増加した。
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Research Products
(3 results)