2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560695
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
高木 亮治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙科学情報解析センター, 助教授 (90358466)
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Keywords | 計算流体力学 / 低レイノルズ数流れ / Micro Air Vehicle (MAV) |
Research Abstract |
惑星探査での利用を想定した小型飛翔体に特徴的な低レイノルズ数、高マッハ数流れの流体現象の解明を数値解析手法を用いて行った。本年度は特に低レイノルズ数流れに着目し、低レイノルズ数流れにおける計算手法の確認、代表的な二次元翼型を対象とした翼型特性の解析を行った。また同環境下で高効率な推進手法と考えられている羽ばたき運動に関する解析を行うための準備として、移動する物体まわりの流れ場の非定常解析手法の開発を行った。 1.二次元翼型の低レイノルズ数流れにおける空力特性の解析 (1)代表的な二次元翼型としてNACA4402を対象として、低レイノルズ数(Re=1000)流れにおける空力特性の把握を行った。通常の高レイノルズ数(例えばRe=1000000)に比べて抵抗が大きくなり揚抗比(L/D)が非常に悪化することが判明した。また失速角が減少し、非常に流れが剥がれ易くなることが判明した。 (2)二次元翼型のパラメータとして翼厚、キャンバーを変化させた翼型の特性を比較したところ、低レイノルズ数流れでは比較的翼型による影響が小さいことが判明した。 (3)上記の解析は通常良く行われる定常解析の結果であるが、低レイノルズ数流れでは流れが剥がれ易く、現象としては非定常状態が重要であることがわかった。そのため空力特性の非定常解析を試行した。非定常解析のための計算手法を確認し代表的な条件での非定常振動の周波数を求めた。その結果翼型、流れの条件が周波数に与える影響が判明した。 2.羽ばたき運動の数値解析手法の開発 (1)現在用いている流体解析プログラムを、羽ばたき運動の解析に必要となる、移動する物体まわりの流れ場の非定常解析が可能となるように改修を行った。物体の移動に合わせて計算格子の移動を考え、その効果を取り込む形の修正を行った。試計算を行い移動する物体まわりの流れ場蛾が正しく解析できることが確認できた。
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