2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560701
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永松 哲郎 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (70305168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重廣 律男 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (20274839)
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Keywords | 電気推進法 / まき網漁船 / バトックフロー船尾 / ポッドプロペラ / 抵抗試験 / 可視化実験 / 省エネ効果 |
Research Abstract |
従来の漁船の推進法はディーゼル機関に減速機を介してスクリュープロペラを直結する方法であったのに対して、最近大型・中型船に採用され始めた電気推進法はポッドプロペラを電動モータで駆動する方法である。電動モータは発電機によって駆動されるが、発電機は従来漁船のディーゼル機関に比べて小型化できるため、船尾に大きなスペースを占めていた機関室が大幅に縮小できることになる。従って、電気推進船では、この空いたスペースを利用して居住空間の確保や魚艙の拡大などが図られるとともに、ディーゼル機関の保守点検が軽減されるというメリットがある。一方、発電機からモータ駆動までの動力の伝達効率が従来のディーゼル船に比べて約15%悪くなるというデメリットがある。そこで、漁船船型に電気推進法を適用することを考えて、このデメリットを克服するためにバトックフロー船尾を採用して、まず船体抵抗の低減を図ることにした。供試船としてまき網漁船を選定し、それを電気推進船とした場合の船尾の配置の概略設計をして、バトックフロー船尾の船型計画を行った。そして、従来型の船型とバトックフロー船型の2隻の模型船を製作し、それを使って回流水槽で抵抗試験と流れの可視化実験を行った。その結果、船体抵抗は10〜15%の抵抗低減が得られた。この結果と自航要素の推定やプロペラ設計をして、推進性能を評価すると約10%の改善が得られた。しかし、電気推進法の場合は伝達効率が15%低減するため、これをカバーするまでには至らず、省エネという観点からはまだ改善の必要があることが分かった。また、船体に付加するポッドの抵抗を今回は既存の文献データを利用して推定したが意外に大きく、この低減についても検討する必要があることが分かった。
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