2005 Fiscal Year Annual Research Report
音波反射を利用した海底表層遷移層の音響探査に関する研究
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16560703
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 正雄 東海大学, 海洋学部, 教授 (10119670)
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Keywords | 音波反射 / 海底 / 遷移層 / 音響探査 / 間隙率 / Biot-Stollモデル / 反射係数 / 縦波音速 |
Research Abstract |
1.理論解析 間隙率などが連続的に変化する遷移層を多層の層状媒質で近似することにより、海底表層遷移層からの音波反射係数の周波数特性をOASES(海洋音響の計算ソフトウエア)を用いて計算した。この計算において層の数が問題となるが,検討の結果層の数を200にすれば十分であることを示した。計算で得られた種々の間隙率の深度特性に対する反射係数の周波数特性は、ローパスフィルタの特性に近似しており、間隙率の深度特性により、周波数特性のしゃ断周波数やしゃ断特性の傾きが変化することを示した。 2.室内実験 モデル堆積物として水で飽和させた木節粘土を用いた。この媒質を円筒形の容器内に堆積させた。この媒質表面に周波数500kHzの短いパルス音波を垂直入射させ、その反射波を記録した。得られた反射波形および基準波としての水面からの音波反射波形のそれぞれをフーリエ変化し、両者の比より反射係数の周波数特性を求めた。また媒質中の縦波音速の深度特性を測定して、その結果とあらかじめ求めておいた間隙率と縦波音速との関係より、媒質中の闇隙率の深度特性を求めた。音波反射係数の測定結果と、間隙率の深度特性からOASESを用いて計算した反射係数の周波数特性の結果を比較したところ、両者はほぼ一致した。 3.現場海域実験 清水港の水深約14mの海域において音波反射の実験を行った。共振周波数100kHzの広帯域圧電振動子を上部に取り付けた1200×900×600mmのスチール製フレームを海底に着底させた状態で、音波反射波形を記録した。得られた反射波形および基準波としての水面からの音波反射波形のそれぞれをフーリエ変化し、両者の比より反射係数の周波数特性を求めた。またGS型表層採泥器を用いて採取された試料を1cm間隔で、間隙率や密度を測定し各深度特性を求めた。測定により得られた音波反射係数の周波数特性と測定された間隙率などの深度特性を用いて計算した音波反射係数の周波数特性を比較したところ、ほぼ一致した結果が得られた。 以上の理論解析および室内および現場海域実験の検討結果より、音波反射係数の周波数特性を測定することにより、海底表層遷移層の間隙率などの深度特性が求められる見通しを得ることができた。
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Research Products
(6 results)