2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニアフィールド領域での高周波CSMT法を用いた地下空洞調査の研究
Project/Area Number |
16560711
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
半田 駿 佐賀大学, 農学部, 教授 (70156529)
|
Keywords | 高周波CSMT / 地下壕探査 / ニアフィールド |
Research Abstract |
鹿児島県鹿屋市野里地区で特殊地下壕探査を実施した。ここでは、高周波CSMT以外に、他の機関により地中レーダ、表面波、EM法等、複数の探査が同時に実施された。それらの結果を参考にして、貫入試験が実施され2カ所の地下壕の存在が確認された。高周波CSMT装置を用いた探査結果では、そのいずれもが高比抵抗領域として検出された。しかし、地下壕が存在しないが、地盤の「緩み」の存在する地点でもそれらしい反応が得られたため、両者をいかに判別するかが課題として残った。また、送-受信点間距離を40m〜120mまで変化させて測定した結果では、送-受信点間距離120mの空洞反応が最も明確であった(2005年春の物理探査学会で発表予定)。 この、送-受信点間距離により、空洞のレスポンスが異なることを実証するため、佐賀大学附属資源循環フイールド科学教育センターに、直径1m、長さ1.5mの貯水タンクを、2.3m深度に埋設した、モデル実験場を設置した。この模擬地下壕を横切る測線で、送-受信点間距離を10m〜80mの範囲で変化した場合、タンクに水を注入した場合と空洞の場合、水平及び鉛直ダイポールアンテナについて、それぞれの空洞反応を測定した。その結果、極端なニアフィールドである送-受信点間距離10mでは空洞を探知できず、遷移域である20m〜80mで空洞を示すパラメータのコントラストが増大することが明らかになった。最長の80mでの高周波域はフェアフィールド域となるが、ここではMT法で予想されるように、空洞応答のコントラストは小さくなった。この結果、地下空洞はCSMT法での遷移域を利用すると、明瞭に検出可能となることが確認できた。
|
Research Products
(1 results)