2006 Fiscal Year Annual Research Report
エコデザインにおける工業製品長寿命化に関する数理モデル
Project/Area Number |
16560716
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
奥村 進 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70204146)
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Keywords | エコデザイン / 超寿命設計 / リユース / 物理寿命 / 機能寿命 / リマニュファクチャリング |
Research Abstract |
地球資源の枯渇や地球温暖化などの環境問題が注目を集めている現在、工業製品を従来のように大量に生産・消費し、製品が不要になると廃棄するというシステムは環境への負荷を高めてしまう。これに伴い、工業製品の使用・廃棄段階だけでなく、設計段階から地球に加わる負荷を小さくするべくエコデザインが模索されている。この実現方法の1つとしてリマニュファクチャリングがある。リマニュファクチャリングでは、回収された製品から取り出されたユニットは新たな製品に組み込まれるため、リユースの対象となるユニットには2サイクル以上の使用に耐えられるよう物理寿命を与えておく必要がある。使用する原材料を多くしたり、特殊なコーティングを施したりするなどによって、リユースユニットの物理寿命を長期化することが考えられるが、安易な長寿命設計は逆に地球に負荷をかける可能性がある。そこで本研究ではリユースユニットの最適な物理寿命分布を考察する。 本年度の研究では昨年度の研究結果を引き継ぎ、循環型製品にLCS(Life Cycle Simulation)を適用した結果をもとに、環境インパクトが最小となる最適な物理寿命設計を非線形最適化問題として定式化した。開発したLCSソフトウェアは、リユース部品の陳腐化と物理的な故障が確率分布に従って発生するもとで、回収率やリサイクル率、最大リユース回数、EoL(End of Life)オプションなどの入力パラメータに基づき、リユースされる部品の数や物理的な故障の発生数など、環境への負荷に影響を及ぼす諸量を出力するものである。この出力結果をもとにして環境負荷関数を導いて目標関数とした。歯車などの要素に提案法を適用することによって、設計対象物の物理寿命に関する最適な分布に関する平均と変動係数を求められることを確認するとともに、その妥当性について検証した。
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Research Products
(3 results)