2006 Fiscal Year Annual Research Report
長時間プラズマ・壁相互作用時の水素リサイクリングに関する研究
Project/Area Number |
16560724
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 瑞樹 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (30235189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
図子 秀樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20127096)
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40227583)
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Keywords | プラズマ / プラズマ・壁相互作用 / 壁排気 / 長時間放電 / 共堆積 |
Research Abstract |
核融合炉に要求される長時間定常運転の実現のためには、長時間プラズマ・壁作用時の水素リサイクリングの理解が重要である。プラズマ・壁相互作用に起因する水素リサイクリングの時間変化は10^3秒程度ととても長いがζ現在稼働しでいるぽとんどのプラズマ発生装置め放電時間は、-100^<0-2>秒のオーダーであり、水素リサイクリングの長時間放電に関するデータベースは少ない。本研究では、長時間プラズマ維持が可能な超伝導トカマクTRIAM-1Mを用いて長時間プラズマ・壁作用時の水素リサイクリングに関する現象について研究を行った。 水素リサイクリングの特性に大きな影響を与える材料表面での水素吸蔵に関して、リミターダイバーター板等の材料(モリブデン)原子がプラズマによりスパッターされ、その原子と水素原子が壁表面上で共堆積することが、長時間連続した水素吸蔵の原因であることを明らかにした。この共堆積層の水素吸蔵能力は、その微細構造に依存し、共堆積層中の結晶粒が小さいほど水素吸蔵能力が高いことが明らかとなった。また、この結晶粒の成長にはララズマ中に不純物として存在する酸素原子が影響を与えていることが分かってきている。 これまでに開発してきたレーザー光の干渉の原理に基づく実時間膜厚計測器を用いたプラズマ計測用窓上の堆積層の厚さ計測結果から、長時間放電中のプラズマ対向面への堆積層の成長率の定量解析を行った。壁の損耗・再堆積はプラズマのパラメータに依存し、酸素不純物がある一定値以上になると損耗が支配的になることが明らかとなった。このように酸素不純物は水素リサイクリング特性に大きな影響を与えるが、長時間放電中の酸素不純物量の減少の時定数は約30〜50秒であることが分かった。さらにプラズマ放電後にプラズマ対向面以外の壁面から放出された水分子がプラズマ対向面に付着することが、次のプラズマ放電中の酸素不純物量に大きく影響を与えていることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)