2004 Fiscal Year Annual Research Report
14MeV中性子照射による超伝導材料の超伝性変化の機構解明
Project/Area Number |
16560725
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
西村 新 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 教授 (60156099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 良光 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助手 (00322529)
竹内 孝夫 物質・材料研究機構, 超伝導材料研究センター, ディレクター (80354299)
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Keywords | 14MeV中性子 / Nb3Sn線 / Nb3Al線 / 超伝導線材 / 極低温照射 / 純銅線 / 抵抗値変化 / 照射損傷 |
Research Abstract |
小型冷凍機を用いて試料温度はほぼ4.5Kに保持した状態で、14MeVの中性子照射を行った。照射を行った試料は、(1)タフピッチ銅線、(2)無酸素銅線、(3)Nb3Al線、(4)Nb3Sn線である。(1)、(2)は純銅線で、超伝導線材で安定化材として用いられる材料である。極低温照射中、臨界温度測定、抵抗値測定を定期的に実施した。これらの測定は4端子法によって行い、臨界温度測定は試料温度を4.5Kから20K(もしくは25K)に変化させて行った。14MeV中性子照射は2回実施した。1回目は1.47x10^<16>n/cm^2程度、2回目は0.70x10^<16>n/cm^2程度の照射を行い、(3)と(4)の試料については、2回の照射の合計、2.17x10^<16>n/cm^2程度の照射を行った。その結果以下のことが明らかになった。 (1)Nb3Sn線、Nb3Al線ともに、2.17x10^<16>n/cm^2程度の照射では臨界温度の変化は生じない。常温での原子炉照射では、0.1MeV以上の中性子の個数で10^<17>n/cm^2程度以上の照射で臨界温度の低下が認められている。14MeV中性子の極低温照射を継続することにより、原子炉常温照射との照射損傷の差異が明確になるものと期待される。 (2)純銅線の照射に伴う抵抗値の増加は、これまで報告されている、常温原子炉照射による抵抗値の増加に比べ10倍近く抵抗値増加速度が大きい。これは、0.1MeV以上の中性子個数を積分する原子炉照射に比べ、14MeV中性子のはじき出し効果が大きいためであろうと思われる。
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