2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジャイロ流体モデルとジャイロ運動論に基づくプラズマ輸送とゾーナルフローの研究
Project/Area Number |
16560727
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
洲鎌 英雄 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80202125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 智彦 核融合科学研究所, 理論シミュレーション研究センター, 助教授 (30260053)
佐竹 真介 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (70390630)
山岸 統 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20413990)
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Keywords | ジャイロ運動論 / ジャイロ流体モデル / ゾーナルフロー / GAM振動 / 乱流輸送 / ITGモード |
Research Abstract |
1.軸対称トロイダルプラズマにおけるゾーナルフローの無衝突時間発展を記述する新しい運動論的流体クロージャーモデルを構築した。本クロージャーモデルでは、磁力線方向熱フラックスを高周波数および低周波数の成分に分解し、ランダウ減衰に関与する高周波数成分は散逸的な拡散形式で表現され、また低周波数成分はバウンス平均されたジャイロ運動論的方程式の解析解より導出され、低周波数成分熱フラックスが磁力線方向流速、乱流ソース項と初期条件によって表現される。本流体クロージャーモデルをイオン温度勾配(ITG)及び電子温度勾配(ETC)モード波数領域で生成されるゾーナルフローに適用した場合、ジャイロ運動論が導く残留ゾーナルフローの振幅値を正確に再現することが解析的計算及び数値シミュレーションにより確認された。 2.ヘリカル系プラズマにおける線形ITGモードの成長率およびゾーナルフローの線形減衰過程に対するヘリカルリップル磁場成分の影響を調べた。大型ヘリカル装置(LHD)の標準配位と磁気軸内寄せ配位に対応するモデル磁場を用いた線形ジャイロ運動論的シミュレーションを行い、磁気軸内寄せ配位の場合に、磁気丘成分の増大によるITGモード成長率の増加ならびにサイドバンド・ヘリカル成分によるゾーナルフロー減衰率の低下が示された。 3.LHDの標準配位と磁気軸内寄せ配位に対応するモデル磁場を用い、ITG乱流およびゾーナルフローの非線形時間発展のジャイロ運動論的シミュレーションを行った。磁気軸内寄せ配位の場合に、線形ITGモード成長率の増加にもかかわらず、ITG乱流によるゾーナルフロー生成の増大により、乱流イオン熱輸送係数は標準配位と同程度の値になることが確認された。
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