2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境と経済性を考慮した海洋における波浪エネルギー変換システムの新構築
Project/Area Number |
16560739
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 正己 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30171250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 忠一 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (30134472)
大澤 弘敬 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋技術研究部, 研究員 (00371732)
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Keywords | 波力発電 / ウェルズタービン / OWC / ガイドベーン / 波浪エネルギー / 自然エネルギー / 海洋工学 / エネルギー工学 |
Research Abstract |
(1)ウェルズタービンは往復空気流中でも一方向整流弁を用いずに,常に一方向に回転できるタービンである.食違い角90°の翼配置でねじれがなく,対称翼を使用しているため,往復空気流中で作動するタービンとしては非常に簡単な構造であり,波浪エネルギー変換システムに最適である.しかし,簡単な構造であるが翼配置としては特殊な形状であるため,タービン内の流れを知ることは性能改善にとって非常に重要である.このような観点からタービン翼面の可視化実験を油膜法により実施し,迎え角とともに変化する翼面上の流れと失速機構の解明を行っている.(2)ウェルズタービン固有の特性をポテンシャル理論により理論的に解明している.(3)ウェルズタービンは効率改善の目的で動翼の前後に対称なガイドベーンが付加される.このガイドベーンを設計するにあたり,ウェルズタービン特性を加味した適切な形状を決定する方法を提案している.ガイドベーンは円弧翼列とし,円弧翼のソリディティ,円弧角,食違い角を決定する方法であり,実験による設計性能の確認も行っている.(4)2次元の浮体型波力発電システムの特性解析を微小振幅波の線形理論により算出する方法を提案し,実験結果との比較から実用的な精度で特性が把握できることを確認している.(5)波浪エネルギー変換システムは,波の上下動を空気の往復流に変換する空気室からなる一次変換装置とタービンからなる二次変換装置に大別できる.この二つの装置間のマッチングがシステムを設計する上で最も重要であり,個々の特性を把握しつつ,総合効率の向上と小型化によるコスト軽減を含めた設計方法を確立し,提案している.(6)システムの設計は縮尺模型実験の結果や理論解析を利用して実施され,尺度影響など考慮すべき点が多く,これらを把握するために実証実験の結果は重要であり,データの提供を受け解析を実施している.
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