2005 Fiscal Year Annual Research Report
カロテノイド成分・遺伝子から見た光合成細菌からシアノバクテリアへの進化
Project/Area Number |
16570038
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高市 眞一 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40150734)
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Keywords | カロテノイド / 光合成細菌 / シアノバクテリア / ミクソール配糖体 / カロテノイド生合成 / カロテノイド生合成遺伝子 / β-カロテン・ケト化酵素 / アナベナ |
Research Abstract |
1.シアノバクテリア、アナベナとノストックのカロテノイド同定と生合成経路および遺伝子の推定 3種についてすべてのカロテノイドを立体構造を含めて同定した。ミクソール配糖体の糖がフコースであることを見出した。従来、糖部分はラムノースと充分な証拠もなく考えられていたので、他のシアノバクテリアについても同定する必要がある。3種の間でカロテノイド組成に多少の違いが見られるが、水酸化酵素CrtR、ケト化酵素CrtW/CrtOの性質の差異によると思われる。 2.シアノバクテリア、アナベナ・バリアビリスATCC29413のカロテノイド同定と生合成経路および遺伝子の推定 上記のシアノバクテリアと近縁種にも係わらず、ミクソールは配糖体でなくフリーであった。シアノバクテリアからは初めての発見である。糖結合酵素の欠損と考えられるが、未だ明確でないシアノバクテリアにおけるカロテノイド配糖体の機能解明に、有用な株である。 3.シアノバクテリア、アナベナPCC7120のβ-カロテン・ケト化酵素の機能解析 本株は2種類のβ-カロテン・ケト化酵素の遺伝子(crtO, crtW)をもっているので、遺伝子破壊株を作成し、生成するカロテノイドを分析して機能を検討した。CrtOはβ-カロテンをエキネノンにし、CrtWはミクソール・フコシドをケトミクソール・フコシドにした。従って、2つの酵素を2つの代謝経路で使い分けていることが判明した。類縁種のノストック・パンクテフォルメはcrtOをもたずに、2種類のcrtWを同様に使い分けていると報告されているので、進化的観点から興味深い。 4.紅色光合成細菌のカロテノイドの性質の検討 1種はカロテノイド生合成の阻害剤を添加して培養し、光捕集色素タンパク質複合体におけるカロテノイドの機能を検討した。もう1種ではスフェロイデン・ケト化酵素の破壊株を作成し、その酵素の性質を検討した。
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Research Products
(8 results)