2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570055
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮川 勇 山口大学, 理学部, 教授 (50136165)
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Keywords | 酵母 / ミトコンドリア / ミトコンドリア核 / DNA結合タンパク質 / Abf2p |
Research Abstract |
酵母単離ミトコンドリア核タンパク質のひとつとして筆者らが同定した分子量22kDaのタンパク質が、遺伝子YGL068Wにコードされたこれまで未同定なタンパク質であることが判明したため、新規なミトコンドリア核タンパク質として報告した(Sato and Miyakawa 2004)。この遺伝子を破壊して、22kDaタンパク質を欠損させた株についてさらに解析した。その結果、22kDaタンパク質欠損株からもミトコンドリア核は凝縮した状態で単離することは可能であるが、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の維持が不安定になり、mtDNAの部分的欠失をもつrho-呼吸欠損株になることを明らかにした。 酵母ミトコンドリア核は、嫌気・好気培養条件や培地組成によって、巨大凝集型から小球状へとサイズと形態を変化させる。これらの個々のミトコンドリア核が含むミトコンドリア(mt)DNA分子数を定量し、最小サイズのミトコンドリア核では平均1.5分子、巨大凝集型ミトコンドリア核では平均20分子のmtDNAを含むとする結果を発表した(Miyakawa et al. 2004)。そこで、嫌気培養・好気培養変換過程でおこる上記のミトコンドリア核の動的挙動を、ミトコンドリア自身の形態変化と関連づけるために、抗ミトコンドリア局在ヒートショックタンパク質(HSP70)抗体を用いた蛍光抗体法とDAPI染色法により詳細に観察した。嫌気培養から好気培養へと通気条件を変化させると、酵母ミトコンドリア核は、5〜6時間の内に巨大凝集型から小球分散型へとその形態を劇的に変化させる。この過程ではミトコンドリア形態自身もミトコンドリア核の変化に対応して変化し、1細胞あたり球形のミトコンドリアが数個存在する状態から、ミトコンドリアの急激な伸張を経て、数十個の小球状ミトコンドリアへと5〜6時間の間へ移行することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)