2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570055
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮川 勇 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50136165)
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Keywords | 酵母 / ミトコンドリア / ミトコンドリア核 / ミトコンドリア核様体 / DNA結合タンパク質 / Abf2p |
Research Abstract |
酵母ミトコンドリア核の凝縮と分裂のダイナミックスに関して、形態的解析と生化学的解析を並行して行った。 1.単離ミトコンドリア核(mt核)におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)の折り畳み様式を解明するために、耐核のmicrococcalヌクレアーゼ(MNase)に対する感受性を調べた。まず、単離mt核自体がもつ内在性ヌクレアーゼの多くは非特異的ヌクレアテゼNuc1pによるものであることを明らかにした。次に、Nuc1p欠損変異株からmt核を単離してMNase処理を行い、分解産物をアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。その結果、精製mtDNAに幼して、mt核中のmtDNAはMNaseに対して高い耐性を持つこと、また,mtDNAの分解は連続的におこることを明確にした。 2.酵母からの新規mt核タンパク質の同定を行った。パン酵母Saccharomyces cerevisiae mt核タンパク質の主成分Abf2pはミトコンドリア"ヒストン"とよばれ、mtDNAの凝縮に働いている。昨年度、我々は酵母Candida parapsilostisから30kDaの新規Abf2p様タンパク質を精製することに成功した。本年度は、パン酵母から系統的に離れた酵母Yarrowia lipolyticaから30kDa新規Abf2p用タンパク質を発見した。ゲノム情報から予測されるアミノ酸配列から、酵母種間においてAbf2pタンパク質に大きな多様性がみられることを示唆する新しい結果を得た。 3.嫌気・好気培養変換過程でおこるmt核の凝集から分散への急激な変化とアクチン細胞骨格の関連について、昨年度に続いて解析した。培養変換後の短時間での変化を詳細に観察した結果、培養変換後30分程度ですでにアクチンの細胞内分布が変化することを明らかにした。この結果は、mt核の形態変化がおこる前に、すでに細胞は好気条件を感知していることを示しており、そのシグナルが早期に細胞骨格の分布を変化させるという新規な結果を得た。
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Research Products
(2 results)