2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570057
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 一朗 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (60175445)
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Keywords | 核 / クロマチン / 細胞融合 / 種間雑種 / 染色体 / 配偶子 / ヒストン / レポーター遺伝子 |
Research Abstract |
二種類の細胞間で核融合が起こる際、結果的に融合核のクロマチンタンパク質、特にヒストンの組成や分布がどのようになっているかは定かでない。 そこで、本研究では、in vitroの細胞融合の系を利用して、異種ヒストンが細胞融合によって共存した場合、それぞれのヒストン種が融合核においてどのような分布を示すかをGFPなどのレポーター遺伝子を指標に解析することを目的とした。 そのため、すでにテッポウユリのヒストンH1変種がGFP(緑色蛍光タンパク質)とともに導入されている形質転換タバコの葉肉細胞からプロトプラストを作成し、非形質転換のタバコ培養細胞BY-2からのプロトプラストと電気的細胞融合を行い、その後の培養経過に伴う核の形態変化を追跡することを試みた。その結果、二種類からなる融合細胞を比較的容易に、しかも高率(約15%)に得ることができることがわかった。これら融合細胞は、葉肉細胞側から葉緑体が持ち込まれるため、容易に識別できるので、その後の核をDAPI蛍光(核全体)とGFP蛍光(葉肉細胞由来のヒストン)の両方で観察したところ、12時間後に標識ヒストンが核の一カ所に集まっている細胞がみられた。この核が細胞融合後直接核融合を起こしたのか、あるいは分裂を経た核なのかを現在確認中である。 一方、すでに得られているGFPとは別のレポーター遺伝子であるRFP(赤色蛍光タンパク質)を導入した新たな形質転換BY-2細胞を作成を試みたが、長期間安定して赤色蛍光を発する細胞は得られなかった。 以上のように、タバコにおける細胞融合(核融合)の実験系ならびに生体標識した融合細胞の蛍光観察を継時的に行える系の確立に成功した。
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Research Products
(3 results)