2004 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科の種子に特異的にみられる表面模様の組織構造、機能および系統発生の解析
Project/Area Number |
16570084
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
根本 智行 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (50228293)
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Keywords | マメ科 / ジャケツイバラ亜科 / ネムノキ亜科 / 種子 / areole / pleurogram / 解剖学 |
Research Abstract |
マメ科のジャケツイバラ亜科とネムノキ亜科で特異的にみられる種子表面模様の組織構造と分類群間での多様性を明らかにするため、まず、8月に英国王立キュー植物園で種子コレクションを調査し多数の種子を入手した。 入手した種子のうち、areole模様を持つジャケツイバラ亜科のSenna属、Paramacrolobium属、Peltogyne属、Tamarindus属、Burkea属、Dimorphandra属、ネムノキ亜科のAdenanthera属、Albizia属、Calliandra属、Enterolobium属、Mimosa属、Prosopis属、さらに、Senna属で模様を持たない種と、この属に近縁で模様をもたないCassia属、斑点模様を持つChamaecrista属を加えて解剖学的解析を行った。その結果、柵状組織の層構造に分類群間で多様性が認められ、比較により以下の点を明らかにし、日本植物分類学会第4回大会で発表した。 (1)ジャケツイバラ亜科では、areole模様の組織構造に亀裂型と非亀裂型の2タイプが認められた。亀裂型はネムノキ亜科の全属とジャケツイバラ亜科の中で最もネムノキ亜科に近縁なBurkea属、Dimorphandra属でみられ、一方、非亀裂型はジャケツイバラ亜科の他の属でみられる。(2)種子表面にみられる亀裂構造(fracture line)に2タイプが認められ、亀裂型areole模様をもつ種子ではどちらか一方が、また、非亀裂型areole模様と斑点模様をもつ種子では両方のタイの亀裂が種子の異なる位置にみられる。(3)Senna属でareole模様をもたない種とChamaecrista属の種皮は、Senna属のareoleの内側と類似した構造をもち、一方、Cassia属の種皮はareoleの外側の構造に類似しており、近縁属間での種皮構造の関連が明確になった。
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