2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570085
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
河野 晴一 東邦大学, 理学部, 教授 (70057644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 宗一郎 東邦大学, 理学部, 助教授 (30277347)
太田 英利 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (10201972)
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Keywords | ミナミヤモリ / 種群 / 性染色体 / ZW型 / 核型変異 / 染色体多型 / rDNA / ヤクヤモリ |
Research Abstract |
研究課題「ミナミヤモリ種群における核型変異と性染色体の分化」を遂行すべく、以下のことを行った。 1.細胞遺伝学的手法による解析:ギムザ染色法に加えてGバンド法、Cバンド法、AgNOR法などの染色体バンド法を用い、基準標本産地である河口産のミナミヤモリ(Gekko hokouensis)をはじめ各地に産するミナミヤモリの核型解析を展開している。現段階では、この種群の核型は、(1)中国本土型、(2)台湾・西表島型、(3)沖縄本島・トカラ列島型、(4)沖縄本島隠蔽種型と4つの核型に大別できる。ちなみに、台湾隠蔽種は現在のところ(2)の範疇にある。異型対となった性染色体は(3)沖縄本島・トカラ列島型のみに見られ、(1)中国本土型と(2)台湾・西表島型の4番染色体対が異型対になったものとGバンド法によって明らかにされた。常染色体の変異については、(1)中国本土型の6番染色体対は端部動原体型であるが、(2)台湾・西表島型、(3)沖縄本島・トカラ列島型では短腕を獲得して次端部動原体型となっていることが明らかとなった。(4)沖縄本島隠蔽種型の解析はその途上にあるが、前述の6番染色体の短腕獲得に加えて、さらなる常染色体の変異が付加的に起こっていることが判明している。以上の事実から、現時点では、(1)→(2)→(3)の核型変異が起こったものと推測し、(4)については、性染色体が分化していないことから、(2)→(4)へと変異したものと推測している。 2.In situ hybridizationによるrDNAのマッピング:プライマーとなるオリゴヌクレオチドの合成とゲノムDNAの抽出・精製を行った。現在このプライマーを用いてのPCR産物のTAクローニング行っている。 3.ミナミヤモリとその近縁種の採集:先島諸島の石垣島、宮古島、黒島、竹富島よりミナミヤモリを採集し、台湾並びに沖縄本島隠蔽種と近縁種としてヤクヤモリ(G.yakuensis)を採集し、培養に供した。
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Research Products
(2 results)