2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570105
|
Research Institution | The Tokyo Metropolitan Organization of Medical Science |
Principal Investigator |
川島 育夫 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40146824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 潔 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (70233492)
|
Keywords | 糖鎖 / 糖蛋白質の品質管理 / 小胞体関連分解 |
Research Abstract |
本研究は、小胞体における糖蛋白質の品質管理機構により細胞質に逆行輸送されたミスフォールド蛋白質やポリマー形成不全蛋白質のN型糖鎖、特に高マンノース型糖鎖の新規な機能解析を目的とする。東京都臨床医学総合研究所・腫瘍免疫研究部門において見出されたN型糖鎖を認識するユビキチンリガーゼ群(Fbx2やFbx6b)は、糖鎖が糖蛋白質の品質管理、特に小胞体関連分解(ERAD)に関与することを明確に示した。この成果は、解析が進展していない糖鎖の機能解明には糖鎖結合蛋白質からのアプローチが非常に有効であることを端的に示した。細胞質へ逆行輸送されたミスフォールド糖蛋白質の蛋白部分は、最終的にユビキチン・プロテアソーム系によって分解される。一方、糖鎖部分はN-グリコシダーゼ(PNGase)やエンドH型酵素によって蛋白質より切り出され、その後細胞質のα-マンノシダーゼによってMan_5GlcNAcにまで分解されることが報告されている。従来、このN型オリゴ糖鎖は、最終的にリソソームに存在する特異的なトランスポーターによって取り込まれると想定されている。しかしながら、トランスポーターの存在を含めてこの機構は現在までに全く実証されていない。平成16年度より2年間、マウスやラット脳の細胞質画分を材料にして、糖蛋白質からPNGaseやエンドH型酵素によって切り出されたオリゴ糖の結合蛋白質の単離・精製を試みた。種々の高マンノース型糖鎖をプローブとして解析したが、単離・同定に至らなかった。この主な原因として、オリゴ糖鎖プローブを用いるアッセイ法に問題があったと考えられた。今後の展開として、上記アッセイ法の新規開発に加えて、リソソームなどの細胞内小器官における糖鎖結合蛋白質の単離・同定、その後の分子生物学、生化学、免疫学的手法等を用いた解析が必要と思われる。
|
Research Products
(2 results)