2006 Fiscal Year Annual Research Report
高次染色体構造変化の可視化によるゲノムの機能と構築の解析-ES細胞分化過程の検討
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16570111
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
佐藤 憲子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (70280956)
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Keywords | 高次染色体構造 / 核構築 / エピゲノム / Cct-3 / 4 / GCNF / DNAメチル化 |
Research Abstract |
哺乳動物では、胚の着床後にDNAメチル化酵素、Dnmt3a/bによりDNAメチル化が誘導され(新生DNAメチル化)、全ゲノムのメチル化模様が確立される。このとき、Dnmt3aおよびDnmt3b自体にはユウクロマチンのDNA配列を特異的に認識する特性がないにも関わらず、ゲノム上に誘導されるメチル化は部位特異的である。胚の分化の全能性(pluripotency)維持に必須であるOct-3/4遺伝子は、新生DNAメチル化の標的遺伝子の一つである。そのプロモーター領域にはdensityは低いがCpGが存在し、細胞分化の進行に伴い高頻度にメチル化される。マウスES細胞を分化させて、Oct-3/4遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化及びヒストン修飾が継時的にどのように誘導されるか検討した。その結果、ピストンH3K9K14の脱アセチル化及びH3K4の脱メチル化に引き続き、DNAのメチル化が誘導されることがわかった。このとき、抑制性のヒストン修飾H3K9,H3K27のメチル化の上昇は顕著ではなく、Oct-3/4遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化には特異的な誘導機構があると考えられた。そこで、プロモーター領域のDRO配列に結合するオーファン核内受容体GCNFに着日し、免疫沈降実験によりGCNFが直接Dnmt3a/bと相互作用することを初めて見いだした。内因性GCNFに対する抗体を作製し、内因性Dnmt3aとの相互作用も確認した。また、GCNFとDnmt3aを過剰発現させるとOct-3/4のプロモーター領域のDNAメチル化が誘導される系を再構成した。この結果は、GCNFが新生DNAメチル化を部位特異的に誘導するための一つの因子であることを示す。
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Research Products
(1 results)