2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570126
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Research Institution | Suntory Institute for Bioorganic Research |
Principal Investigator |
安田 好美 (釜谷 好美) (財)サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (10270571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 明和 (財)サントリー生物有機科学研究所, 主席研究員 (90211614)
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Keywords | アメリカザリガニ / CCAP / アミド化酵素 / cDNAクローニング / 腹部神経節 |
Research Abstract |
我々は昨年度までにアメリカザリガニ(Procambarus clarkii)においてオルコキニンやSIFアミド、タキキニン関連ペプチド(TRP)、アラトスタチン様ペプチド、FMRF関連ペプチドのcDNAクローニングや脳内mRNA発現解析を行っているが、凍結切片を用いたMALDI-TOF質量分析を行った結果、腸管を支配していると考えられる腹部神経節には、上記ペプチド以外に甲殻類心臓作用性ペプチド(CCAP)の存在も示唆された。そこでCCAPのcDNAを第六腹部神経節ライブラリーよりクローニングしDNA配列解析を行った結果、前駆体タンパク質はCCAP(PFCNAFTGCamide)を1コピー含み126アミノ酸残基から成る構造であることが判明した。アミノ酸配列のホモロジー解析を行うと最も相同性の高い配列は近縁種のザリガニ(Orconectes immunis)で94%の相同性を示し、他に昆虫ではゴキブリ由来のCCAPが最も相同性の高い配列(28%)であった。さらにこれらペプチドの多くはアミド化されていることから、ザリガニにおけるC末端アミド化酵素の分布を調査する目的で、アミド化酵素のクローニングを試みたところ、上記ライブラリーよりpeptidylglycine--hydroxylating mono-oxygenase(PHM)の完全長cDNAクローニングに甲殻類で初めて成功した。このcDNAには脊椎動物のようなpeptidyl-hydroxyglycine-amidating lyase(PAL)の配列が連結されておらず、ザリガニにおけるPHMとPALは別個のmRNAにコードされている昆虫型であることが推定された。実際にアミノ酸配列のホモロジー解析ではショウジョウバエのPHMに最も相同性が高く(52%)、マウスに対しては13%の相同性を示すのみであった。
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