2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜分子の超拡散の機構と生理的意義:1蛍光分子の高速追跡法開発によるアプローチ
Project/Area Number |
16570133
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
RITCHIE Kenneth 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20324395)
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Keywords | 細胞膜 / リピッド / 1分子蛍光 / 高時間分解能 / 高速 / 追跡 / 速い拡散 / DiI(3,3'-didodecylindo-carbocyanin |
Research Abstract |
本研究の目的は、以下の3つである。 (1)1分子蛍光ビデオ追跡の時間分解能を向上させ、1ミリ秒を達成する。 (2)リピッドアンカー型情報伝達分子が異常に速く拡散する機構を解明する。 (3)細胞膜への結合様式が違う分子の拡散運動を調べ、それと非正常拡散との関連を検討する。 本年度は、高速自動1分子蛍光追跡顕微鏡を作成した。そのため、ラベル化された分子の蛍光像を4分割・アバランシェ・フォトダイオード(APD)に投影することによって、既存の全反射蛍光顕微鏡の性能を高めた。APDは、高時間分解能で1分子蛍光を追跡するのに十分な高い感度を持っている。このデータを記録するために、高速パソコン(高速4チャンネルデータ取り込みボードは既設)を購入した。長時間観察のためには、ピエゾスキャニングステージを顕微鏡に取り付、閉ループフィードバック回路を用いて、蛍光イメージが常にAPD上の中心になるように設計した。このようにして、高速自動1分子蛍光追跡顕微鏡を使用することで、生きた細胞上で蛍光ラベル化された分子の長時間高分解能軌跡のデータ収集が容易になった。同時に、この顕微鏡を使って、リピッドアンカー型タンパク質が異常に早く拡散する機構解明を行った。まず、この速い拡散を解明する第一歩として、リピッド様蛍光プローブであるDiI(3,3'-didodecylindo-carbocyanine)の動きを観察し、これとリピッドアンカー型分子の速い拡散とを比較した。
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