2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570137
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
玉腰 雅忠 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (10277254)
|
Keywords | Thermus thermophilus / 自然形質転換 / ファージ |
Research Abstract |
(1)高度好熱菌Thermus thermophilusに感染する溶菌ファージYS40、およびTMAの全ゲノム塩基配列解析:各ファージDNAを調製後、ショットガンライブラリーを作製して塩基配列解析を行った。その結果、両ファージのゲノムは物理地図上は環状となり、全塩基配列数はYS40が152372塩基対、TMAが151483塩基対であった。共に168のORFが推定された。Blastサーチにより相同蛋白質を探したところ、YS40は15個程度、TMAは30個程度のORFの機能を推定できた。さらに、ファージ粒子を変性後、電気泳動し、幾つかのバンドのN末端アミノ酸配列を調べたところ、頭殻構造蛋白質と思われる蛋白質の配列を推定できた。推定した機能蛋白質中には、ポリアミンの生合成に関連する酵素も見出された。ファージ粒子内に好熱菌特異的なポリアミンを見出しており、DNAをファージ頭殻に詰め込んだり、或いは宿主内への注入に際して何らかの役割をしている可能性がある。その他のDNA輸送に関わる蛋白質、例えば頭殻内詰め込みに関わるATPaseなどは見出されていないことから、これまで知られている輸送関連蛋白質とはかなり構造が異なるか、あるいは異なるメカニズムで輸送されている可能性も考えられる。(2)comEC遺伝子のクローニング:自然形質転換において、内膜を貫通する際のチャンネルを形成すると思われるComEC蛋白質の遺伝子DNAをPCRによって増幅しようとしたが、数種類のプライマーセットを試したものの、目的の断片が増幅されなかった。報告されている配列が間違っている可能性があり、現在検討中である。(3)PilF蛋白質の発現:自然形質転換に必須のATPase、PilF蛋白質をpETシステムを用いて大腸菌内で発現させることができた。
|